遮断機が降りた状態が長時間続き通行が困難となり、慢性的な渋滞の原因や事故を誘発するとして嫌われがちな踏切は、近年はほとんど新設されず立体交差などへ作り替えられ、廃止される傾向にある。しかし、どうしても踏切を使わねばならない構造の地理もある。より安全で便利な踏切遮断機を目指して日々、研究と開発が行われている。ライターの小川裕夫氏が、その最前線、全方向踏切警報灯についてレポートする。
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8月5日に放送された「車あるんですけど…?」(テレビ東京系)では、芸能界屈指の鉄道マニアとして知られる廣田あいかさんとななめ45℃の岡安章介さん、そしてナビゲーター役を務めた私の3人で東京・神奈川・千葉の踏切を巡った。
踏切は線路と道路が交差する地点に設置されるが、2000年前後から、年100~200のペースで減少している。特に、東京や大阪などの都市部は政府・地元自治体・鉄道事業者の3者が協力して踏切除去に力を入れてきた。地方都市でも市街地では、踏切をどんどん廃止されている。
一方、地形的に立体交差が難しいなどの事情で踏切が残されている場合もある。その場合、万が一にも事故を起こさせないよう、設置された踏切には安全対策がふんだんに盛り込まれる。
近年、安全対策のトレンドになっているのが、全方向踏切警報灯への切り替えだ。それまで踏切の警報灯は、正面から見ることが前提にされていた。そのため、側道から踏切警報灯を確認することは容易ではなかった。しかし、側道から右折ないし左折して進入するような構造の踏切もある。
正面からだけではなく、横からでも警報灯の点滅を確認できれば安全性はより高まる。また、側道から踏切に進入できる道路構造の場合、踏切警報灯を6灯設置する必要がある。全方向踏切警報灯なら、それが2灯で済む。