浮気された妻=“サレ妻”を主人公にしたドラマが人気となるなど、何かとスポットが当たることが多い「不倫」。その数は20年で2倍に増えているとも言われている。そこで東京・池袋に本社を置き、全国に相談室を展開する探偵事務所「MR」の岡田真弓社長が、実査に見てきた不倫案件を、プライバシーに配慮しながら、ケーススタディーとして紹介する。
◆浮気の証拠を押さえてから「3年間」は“離婚猶予期間”なので落ち着いて
10年前に結婚した夫が家を空けることが多くなり、何かとスマホを手放さなくなったため「これは怪しい」と感じたA美さん(42才)。探偵に調査を依頼すると1か月後、動画とともに「夫はクロ」と告げられた。
ショックを受けて即座に離婚手続きに着手しようとしたA美さんに、岡田さんは「慌てずに『3年』かけて考えましょう」とアドバイスした。
「不貞の証拠は“武器”。入手してから3年間、慰謝料請求が有効です。つまり3年間はいつでも有利に離婚を求められるので、この期間を利用して『やり直し』に取り組み、ダメだったら諦めて『離婚』に舵を切っても遅くはありません」(岡田さん)
結局、A美さんは3年間の“離婚猶予”を選択。その間に夫が心を入れ替えて不倫相手と別れ、現在は夫婦仲よく暮らしているという。
◆「やり直し」を諦めがちなのは「20代の若い夫婦」と「50代以降の年配夫婦」
離婚か否かをわけるポイントの1つが「夫婦の年齢」だ。
「基本的に20代の若い夫婦は離婚率が高い。まだ、他のパートナーとのやり直しが充分にできる時期ですね。働き盛りの30~40代は、やり直しを望むケースが多い。実は50代以降になると、夫婦関係を修復する意欲が落ちるので、離婚が増える傾向があります」(岡田さん)
ただ最近は、熟年世代でも復縁を望むケースが徐々に増えているという。
B子さん(58才)は、以前は「男は外で勝手に遊べばいい」と経営者夫の浮気に寛容だったが、夫が浮気相手に入れ込む様子を知り、「もしかして離婚したいの?」と慌てるようになった。不倫の証拠を押さえ、相手の女性に慰謝料を請求することで別れさせた。
「今は人生100年時代で、60才でもあと40年人生が続く。さすがにそんなに長くをひとりで過ごしたくないと、『熟年離婚』の年齢はどんどん上がっているように感じます」(岡田さん)
※女性セブン2018年9月13日号