有名人の不倫騒動が世間の批判を浴びることがある一方で、不倫を題材にしたドラマが人気になるなど、とにかく世の中の興味の的となっている不倫。実際に、この20年の間に不倫率も2倍になっているともいわれており、不倫はかなり身近なものとなっているのかもしれない。
しかし、当然ながら不倫は離婚に対する大きなリスクとなる。夫が不倫をしていたことを知って、離婚に向けて動き出そうとする妻も少なくないだろう。
離婚はさまざまな法律問題が絡むため、専門知識を持つ弁護士に手続きを依頼したくなる。とくに最近はネットやテレビの広告で“離婚に強い”ことをアピールする弁護士が目立つためなおさらだ。
しかし 東京・池袋に本社を置き、全国に相談室を展開する探偵事務所「MR」の岡田真弓社長は浮気の証拠をつかんだのち、すぐ弁護士に依頼することには否定的だ。
「こちらが弁護士を入れると、相手も必ず弁護士を立ててきます。すると弁護士同士の話し合いになり、判例で慰謝料請求額の相場を決めるなどして事務的に離婚が成立することになる。本人同士が顔を突き合わせ、冷静に話し合い、解決策を模索し、大切な未来を一緒に決める機会が失われます」(岡田さん)
納得がいかないうちに、あれよあれよという間に離婚してしまうと、「ひょっとしてやり直せたのでは」と後悔しかねない。岡田さんはこんなデメリットも指摘する。
「本来は離婚調停や離婚裁判の必要がないのに、弁護士が手数料を得るために調停・裁判に持ち込むことがあります。弁護士は“最後の手段”として、できるだけ当人同士の話し合いを進めるべきです」
◆子供がいないと「離婚」、子供が未成年だと「やり直し」
子供の有無や年齢も夫婦の将来を決める鍵となる。
「子供がいないカップルは、養育費や教育費などの障害がなく離婚に踏み切りやすい。子供が成人・独立した熟年カップルも同様に別れるケースが目立ちます」(岡田さん)
実際に浮気調査の依頼が多いのは、妻が妊娠中や、子供が5才くらいまでの間に発生した夫の浮気だ。
「『妻』が『母親』になる時期なので夫が不満を抱き、不倫に走りやすい」(岡田さん)
同時に、浮気が発覚しても「子供の成長」を考えて、やり直すケースが多いのもこの時期だ。
「不倫が発覚したら妻はカッとして『すぐ離婚だ!』とわめきますが、私たちが『実際に離婚になったら親権はどうしますか』『成人するまでの養育費はどうしますか』と問いかけると、多くの人は冷静さを取り戻し、離婚を踏みとどまります」(岡田さん)
現実が離婚を阻むのだ。
※女性セブン2018年9月13日号