「パーク〇〇」「〇〇ヒルズ」「THE〇〇タワー」……日本のマンションには、似たようなブランド名を冠した建物がたくさんある。紛らわしいのはもちろん、よく考えてみると、英語がヘンだったり、立地環境に似つかわしくなかったりする。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が、そんなマンション名の“いい加減さ”に疑問を呈する。
* * *
日本を代表する不動産会社といえば、三菱地所に三井不動産。不人気な不動産業界ながら、唯一大学生の就職人気ランキングに何とか顔を出すのがこの2社。それぞれに、三菱地所レジデンス、三井不動産レジデンシャルという住宅部門の子会社を持っている。
この2社は主に住宅の開発分譲を行っている。主力は新築マンションだ。看板のブランド名は三菱地所レジデンスが「ザ・パークハウス」で、三井不動産レジデンシャルが「パークホームズ」。両社はこの他にも「パークシティ」とか「ザ・パークハウスグラン」といったブランドで分譲マンションの開発分譲事業を行っている。
しかし、ここではそれはさておき、看板の三菱「ザ・パークハウス」、三井「パークホームズ」のブランド名について考えたい。
まず、第一印象として似ていないか? 突き詰めれば、「ハウス」と「ホームズ」の違いではないか。そもそも「ザ・パークハウス」は7年前までただの「パークハウス」であった。
2社だけではない。両社とライバル関係にある財閥系不動産会社の住友不動産。実はマンションの開発分譲事業において、住友不動産は供給戸数で4年連続日本一を誇っているが、その主力ブランドは「シティハウス」、あるいは「シティタワー」である。しかし、その住友不動産にも「パークスクエア」という独自ブランドがある。
日本の不動産業界におけるリーディングカンパニーである3社が、マンション分譲事業におけるブランド展開で、同じ「パーク」というワードを使用している。