放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、10月からまたレギュラー番組が増える坂上忍について。
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昨年12月、フジテレビ系にて特番で放送された『坂上忍のどうぶつ珍プレー好プレー大賞』がこの10月からレギュラー番組になる。放送枠は金曜19時。番組タイトルは『坂上どうぶつ王国』に決定した。
これでフジテレビにおける坂上のレギュラー番組は、月~金の11時55分~の『バイキング』、毎週木曜21時~の『直撃!シンソウ坂上』、「本音でハシゴ酒」のナビゲーターを務める金曜21時55分~の『ダウンタウンなう』に続いて4本目となった。
他にも『FNS番組対抗!オールスター春秋の祭典スペシャル』や『実録!金の事件簿』などの特番もあり、「フジの顔」となりつつある坂上には、この先もスペシャル番組や期首特番からの出演オファーが続くこととなるだろう。
坂上が『バイキング』の曜日MCから帯MCとなり、スタッフとの試行錯誤の末、“生ホンネトークバラエティ”なるコンセプトにしてからというもの、民放で横並びトップの数字を弾き出したり、特に関西地区で好調なことはこれまで何度もメディアで取り上げられてきた。
今年はスポーツ界のドタバタが次から次へと生ワイドで明るみに出て、トップニュースになっているが、なかでも「日大アメフト部」「ボクシング協会の“男・山根”」などに対し、『バイキング』は本当にしつこかった。
通常、情報局制作のいわゆるワイドショーは数字が獲れなくなってくると扱わなくなるものだが、バラエティー班が制作している『バイキング』は、MC坂上の“こだわり”や“正義”“勘”などが大事にされているように見える。よって、どの生ワイドよりも切り込み、結果、高視聴率を記録した日もあり、同局玄関に、その数字がデカデカと貼りだされていたものである。
『~シンソウ坂上』も、故・逸見政孝氏の発病から闘病、そして亡くなるまでを、仲間内でもっとも見てきた安藤優子キャスターへのインタビューをメインにしながら掘り下げた回の高視聴率が同局玄関に貼りだされていたのを見た。まだネタによって数字にばらつきがあるが、恐らく坂上とスタッフは“勝ちパターン”に寄せることを第一には考えないのではないか。
そして『ダウンタウンなう』の「本音でハシゴ酒」。坂上の役割は、店のおすすめを試食してメニューを決めることと、フリップ片手に“めくり”も担う、まさにナビゲーター。松本人志、浜田雅功とのバランスはひじょうによく、“化学反応”というよりは、なんでもズバズバ聞くおっさんたちにゲストが身をゆだねるというスタイル。特に坂上が導き出したゲストの“本音”は、100%の確率でネットニュースにあがっている。予定調和ではない新たなトークバラエティーと言えよう。
そして『バイキング』。件の日大関係者やボクシング関係者、さらにはレスリング関係者らが明らかに同番組での扱われ方をチェックしていたり、気にしていたりしていることは、制作者らにとっては一種の“励み”になっていることだろう。
そんな坂上が新たにMCをつとめるのが動物番組。坂上が12兄弟の“息子たち”(愛犬)と、ドッグランと呼べるような広い庭付き戸建てに住んでいることは他局のバラエティー番組でも紹介され、有名に。坂上が”運動会“と呼ぶ戯れや、朝晩の”御世話“の報告や、それぞれ異なる息子たちの性格などは毎日数回ブログにアップされている。