猫にも実は“利き手”があり、オスは左の前足を、メスは右の前足をよく使う傾向がある──。今年1月、猫の“利き手”に関する研究結果が、学術誌『Animal Behaviour』に掲載された。
利き手が性別によって異なるのは、人間にもみられる傾向で、男性の方が女性よりも左利きが多いという。
なぜ猫の“利き手”が性別によって異なるのか。論文の著者で北アイルランド・クイーンズ大学のデボラ・ウェルズ博士は、脳の違いや性ホルモンなどが影響を及ぼしているのではとの見解を示している。
なお、猫の利き手は、トイレに入る際にどちらの前足から先に踏み出すか、狭い穴に足を差し入れてエサを取り出す時に左右どちらの前足を使うか、目の前でおもちゃを振った時、どちらの前足をよく使うか、などの方法で調べられる。
はっきりとした理由は、まだ判明していないが、猫も性別によって、骨格や性格などに違いがあると、猫専門病院「Tokyo Cat Specialists」の獣医師・有田早苗さんは言う。
「もっともわかりやすい点でいうと、まず骨格が違います。オスは頭・肩幅・手足が大きくがっちりしており、メスはオスよりも小柄な子が多いです」(有田さん、以下「」内同)
ほかにも、性別による顔立ちの違いについて、次の4つの特徴があるという。
【1】頬の面積は、オスが大きく、メスは小さい。
【2】鼻筋の幅は、オスが広めで、メスは狭め。
【3】ひげ袋は、オスが大きく、メスは小さい。
【4】瞳の大きさは、オスが小さく見え、メスは大きく見える。
ひげ袋とは、口まわりのひげが生えている「ω」の部分。写真は、左の方がひげ袋が大きいのでオス、右がメスだ。
また、性格に関しては、オスは、甘えん坊でやんちゃ、好奇心旺盛な遊び好きの傾向にあり、一方のメスは、おとなしくて用心深く、ツンデレの傾向があるという。
「もちろん個体差もありますし、幼少期の環境や飼い主の接し方でも変化していきますが、一般的には以上のようにいわれており、実際その通りだと実感しています」
猫を迎える時は、これらオス・メスの性格を考慮するといいだろう。例えば猫と一緒に遊びたいならオス。メスは、あまりおもちゃで遊びたがらないので、おもちゃで迫るとストレスを与えてしまう。
一方のメスは、飼い主にベタベタしない自立心の強い子が多いため、留守番をさせても問題を起こすことが少ない。ひとり暮らしやあまりかまってあげられない家庭に向いているといえる。
人と同じように性別で個性の違う猫たち。うまくつきあうには、それぞれの特徴を理解しておくことも大切だ。
※女性セブン2018年9月13日号