“夢の超特急”といわれるリニア中央新幹線。これは、時速500kmで走行する超電導リニアによって、東京~大阪間を結ぶ新たな新幹線。全線開業後には、東京~大阪間が約1時間で結ばれる。
JR東海は、2027年に東京(品川)~名古屋間の開通を目標に、現在、走行試験を実施している。
そもそも国内の超電導リニアの歴史は、1962年までさかのぼる。新幹線の次の超高速鉄道として、リニアモーター推進浮上式鉄道の研究が始まる。以降、何度も実験を重ねて53年後の2015年に、山梨リニア実験線で鉄道の世界最高速度である時速603kmに到達した。
そんな中、『リニア・鉄道館』は2011年に名古屋市にオープン。“夢と思い出のミュージアム”として、東海道新幹線を中心に在来線から超電導リニアまでの展示を通じて“高速鉄道技術”の進歩を紹介している。
展示車両はJR東海で活躍した歴代新幹線や超電導リニア、在来線の車両など全部で39両だ。古くは1948年の国鉄時代に製造されたC62形蒸気機関車も展示されている。
「C62形蒸気機関車は当時、急行・特急用として製作された日本で最大・最速の旅客用大型蒸気機関車。当時、最速の時速129kmを記録した車両です。ほかにも、世界最速記録を出した新幹線試験電車も間近で見られます」(館長の天野満宏さん・以下同)
展示会場では、まず車両の大きさに圧倒される。
「どの車両も高さ3m以上あるので、間近で見ると迫力満点です。近づいて触ることや車内に入ることもできますよ」
順に並ぶ、歴代の新幹線を眺めるのも楽しい。
「1964年に国内で初めて走行した新幹線『0系』は、車体の先頭部分が丸かったのに対し、1997年に登場した『700系』は、シャープになっています。0系を初めて見た若い世代には、“まるで、コアラみたい”と、新鮮に映るようです」
時代とともに進化を続ける高速鉄道。その歴史はまだまだ続いていく。
※女性セブン2018年9月13日号