中国では8月初旬から、「アフリカ豚コレラ」に感染する豚が急激に増加しており、国際連合食糧農業機関(FAO)では近隣諸国への感染拡大を警戒する声明を発表した。
すでに、韓国ではアフリカ豚コレラのウイルスの遺伝子が検出されており、東南アジアや朝鮮半島のほか、中国産の豚肉や加工食品を輸入している日本などの国々にも注意を呼びかけている。フランス通信(AFP)が報じた。
アフリカ豚コレラは豚やイノシシが感染する伝染病で、感染すると出血熱を発して暴れるようになり、最終的には死に至る。人には感染しないが、治療薬はいまだに開発されておらず、殺処分するしか解決方法はない。
中国では8月初旬に東北部の遼寧省でアフリカ豚コレラに感染した豚が発見され、8月27日現在、2万4000頭が殺処分されている。
FAOは5月、ロシアで発生したアフリカ豚コレラが拡大する恐れがあると警告を発しており、なんらかの形で、ロシアから中国にウイルスが広がったもようだ。
その後も、急速に感染が拡大しており、中国東部の江蘇省連雲港でもアフリカ豚コレラに感染した豚が見つかり、8月下旬の1週間で1万4500頭の豚が殺処分された。
FAOでは「このままでは、短期間に中国国内はおろか、半径約1000kmの範囲で感染が急拡大する可能性がある」と警告している。