10月から日本テレビ系『news zero』(月~木曜23時、金曜23時30分)の新キャスターに就任する有働由美子が、同局内で記者発表会を行った。その発表会の少し前、彼女のある行動が、同局報道フロアのハートをわし掴みにしていた。
その現場にいた、報道フロアで働く制作会社社員は「いやあ、やられました」と嬉しそうにいう。
「昼のニュースが終わったところで報道局長から『拍手で迎えましょう!』と声がかかり、白いワンピース姿の有働さんが現れました。『NHKから、日テレに嫁ぐ花嫁衣装のつもりで』と服装の話題で和ませながら、これからの意気込みと、僕らへの挨拶が続きました。
カメラも一緒だったから放送素材にするのでしょうが、有名人キャスターは記者発表だけで、僕らにまで挨拶するとは思っていなかったので感激しました。上司からきいていた噂通り、意気込みがすごいんだなと思いました」
テレビ局のニュースキャスターに有名人が就くことは珍しくない。その場合、報道向けの記者発表の場が設けられることはあるが、ニュースを支える大勢の記者やデスク、ディレクターらが常に出入りしている報道フロアへ挨拶に訪れることはあまりない。
通常の人事異動で部署が変わる人たちの挨拶はあるが、キャスターが同じような行動を取らずとも誰も気にしない。報道フロアで働く人たちにとって「出演者は自分たちと直接は関わらない人」となんとなく考えており、気にしないからだ。
ところが、有働・新キャスターは異例の挨拶のばかりか、異例の手土産も持ってきた。正直いって度肝を抜かれたと別の報道番組スタッフがいう。
「たぶん全部署あてに、高級いなり寿司を差し入れてくれたんです。100個どころの人数じゃないのに」
それは、気のきいた手土産として食通で知られるアンジャッシュの渡部建が紹介したことでも知られる六本木のいなり寿司専門店「呼きつね」のもの(ちなみに箱入り48個だと6500円)。テレビ局で働く人間なら、そのくらいのもの珍しくないと思う人もいるかもしれないが、報道についていえば、そういった世界とは無縁だ。