近頃人気の「道の駅」だが、一方でその道の駅の駐車場がすごいことになっているらしい。女性セブンの名物還暦ライター“オバ記者”こと野原広子が道の駅の駐車場の現実をレポートする。先日、道の駅のトイレで、魚をさばき排水口を詰まらせてひんしゅくを買ったことがニュースになったが、それだけではないのだという。
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道の駅は1991年に誕生して以来、年々増え続け、今年の4月には、全国で1145駅。
「駐車場は24時間オープンで0円。トイレも使えます。仮眠もOKだけど、宿泊、連泊はNG。駐車場での火気の使用は厳禁で、洗濯や、ゴミの持ち込みは禁止といういくつかの規則を設けているのが一般的です」と言うのは、キャンピングカーライターの浅井佑一さんだ。
が、それが守られているかというと、さにあらず。この夏、私は「えっ?」という光景を何度か目撃している。お盆休みの最終日、山が見える北関東の道の駅に車を停めたら、肉を焼く強烈なにおいが漂ってきた。なんと初老の男女が大きなバンの陰に隠れてバーベキューしていたの。
“主謀者”らしき短パン親父は、ディレクターズチェアにお尻を沈めて、缶ビールをグビグビ。足元には蚊取り線香をいぶっていて、すっかり、“おれの場所”。
伊豆では、車体から近くの木にひもを巡らせて、せっせとTシャツや綿パンを干していた40代男がいた。トイレ入り口の『シャンプー禁止』の張り紙が見えなかったのか、一心不乱に髪を泡だらけにする20代の短髪女子も見かけた。そうなると、道の駅に行くとマナー違反ばかり目について、いちいちカリカリ。
前出・浅井さんは、「キャンピングカーは車内に設備が整っているから、マナーの悪い人はあまりいません。禁止されていることをしがちなのは、バンやワゴン車の人ですね」と言う。
「そう言われてみると、キャンピングカーで柄の悪いドライバーは見かけないけど、一般車のドライバーや同乗者はそれこそピンからキリ。そのキリの方が、最近どんどん悪くなってきているのよ」
そう言うのは、茨城県内の道の駅でパートをしている友達のF子(66才)だ。なんでも、「この夏ほぼひと月、ウチの道の駅に居ついた60代の男が何人もいて、さんざんだった」と言う。
「最初は駐車場の奥の目立たないところに車を停めていたけど、そのうち、トイレの真ん前に車を移動させて、朝、他のお客さんが買い物に来る時間になっても動かない。炊事はするわ、トイレで服を洗濯したり、洗髪したり、ずうずうしいったらない」(F子)
彼らの特徴は、「まずお金を使わない」こと。主食はあらかじめ箱買いして車に積んであるカップ麺で、お湯だけ店の電気ポットを使う。さらには、観光客を押しのけて、タイムサービスで供される試食品に手を出す。
思い余って「長期滞在は困るんです」と声をかけたら、その日はいなくなったけど、翌々日にはまた顔を出す。F子は言う。
「今年の夏は夜になっても気温が下がらなかったから、エンジンをかけっぱなし。その音がうるさいと近所から苦情が入る。客ならまだガマンできるけど、タダで車を停めてトイレとお湯を使って、試食品まで食べていたら、泥棒でしょ!」
こんな悲鳴が今、日本全国の道の駅から上がっている。
※女性セブン2018年9月20日号