国内

悪質TikTok晒し上げアカの持ち主は一見まっとうな会社員

悪質晒し上げアカの持ち主は?

 音楽に合わせ、スマホひとつで短いミュージックビデオがつくれるリップシンク(口パク)動画アプリ。世界中で若年層を中心に大人気で、日本では「TikTok」の利用者が多い。そこへ投稿される無邪気な子供たちの動画が、一部の悪意ある人たちによって「晒し上げ」のターゲットにされている。匿名アカウントで晒し上げをするのは何が目的なのか、ライターの森鷹久氏が直撃した。

 * * *
 若者を中心に、利用者が爆発的に拡がっている動画アプリ「TikTok」。元々は中国発祥で、現地ユーザーが数億人とも言われており、アジア圏を中心に今なおユーザーは増え続けているという。

 人気の秘密は「手軽さ」と、何と言っても「盛れる」こと──。こう話すのは「TikTok」ユーザーで埼玉県在住の女子高生・まきティさん(16)。

「盛れる」とは「化粧が盛れてる」とか「今日の顔は盛れてる」というように使うそうだが、要は本当の自分以上にきれいだったり、かわいく「なれる」こと。人気の写真共有SNSのインスタグラムや、写真加工アプリの「SNOW」も、この「盛れる」機能によりユーザーが爆発的に増えたというから「盛れるTikTok」の流行もまた、必然だったのかもしれない。

 小学生から大学生まで、そして成人までもが「TikTok」に熱中する一方で、ネット上の掲示板には以下のようなニュアンスのタイトルでスレッドが建てられ、あまりにも醜悪なやり取りが展開されていた。

「TikTokのロリ動画を共有するスレ」
「TikTokのバカを晒すスレ」

 いずれも、若いTikTokユーザーらの動画をYouTubeに転載したものや、gif形式の動画にしたものを掲示板上に晒し笑いものにしたり、バカにするというひどく悪趣味なものである。JS(女子小学生)やJC(女子中学生)と思われるユーザーらの動画に対しては性的なコメントが飛び交い、それらの動画がまとめられ、海外のポルノサイトに上げられていることを指摘する書き込みには称賛のコメントが返されている。

 掲示板だけではない。ツイッターなどにも「TikTok黒歴史」などといったアカウント名で、若いTikTokユーザーの動画を勝手に転載し、バカにしたコメント共にアップし続けている者が複数存在する。当然、こうした流れは「被害者」を生み出す事態も招いている。中学生の娘を持つ、九州地方に住む女性・Aさん(40代)は悲痛な声を上げる。

「TikTokに上げた動画がツイッターで晒されていると、娘が青い顔をして相談してきました。娘の動画を勝手に上げた投稿には、卑猥な言葉や、着ていた制服から学校や住所を特定しようとする人たちの書き込みがありました。ふざけたり、水着の動画じゃありません。普通の可愛らしい動画に、大人とみられるたくさんのユーザーが誹謗中傷のような攻撃的なコメントをつけている。いくつかのアカウントには拡散をやめるよう接触しましたが、それまで晒される。ツイッター社に通報してもダメ、警察に言っても無駄、ただ黙って見過ごすしかない」

関連キーワード

関連記事

トピックス

被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
フジテレビの取締役候補となった元フジ女性アナの坂野尚子(坂野尚子のXより)
《フジテレビ大株主の米ファンドが指名》取締役候補となった元フジ女性アナの“華麗なる経歴” 退社後MBA取得、国内外でネイルサロンを手がけるヤリ手経営者に
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
6月にブラジルを訪問する予定の佳子さま(2025年3月、東京・千代田区。撮影/JMPA) 
佳子さま、6月のブラジル訪問で異例の「メイド募集」 現地領事館が短期採用の臨時職員を募集、“佳子さまのための増員”か 
女性セブン
〈トイレがわかりにくい〉という不満が噴出されていることがわかった(読者提供)
《大阪・関西万博》「おせーよ、誰もいねーのかよ!」「『ピーピー』音が鳴っていて…」“トイレわかりにくいトラブル”を実体験した来場者が告白【トラブル写真】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン