食べこぼしのシミやワイシャツの皮脂汚れなどを超音波の力でサッと部分洗いできると話題になった『超音波ウォッシャー』が、携帯に便利な超軽量サイズに生まれ変わった。
なぞるだけで頑固な皮脂汚れやシミを素早く落とすハンディー洗濯機『UW-S2』(オープン価格1万5000円前後)には、パフとパフケースが付属。操作は簡単で、水を含ませたパフを汚れた部分に当て、衣類の上からホーンでなぞるだけ。サイズは、約幅26×奥行き22.5×高さ165mm、重さ約100g(本体キャップ除く)。全3色の展開だ。
『超音波ウォッシャー』の小型化実現までには、意外にも長く険しい紆余曲折があったという。『超音波ウォッシャー』は、汚れた部分を水に浸し、本体の先端にある金属部分「ホーン」を当てて軽くなぞると、ホーンと繊維のすき間に真空の泡が発生。その泡が弾ける力で汚れを落とす仕組みになっている。
超音波を使った製品を開発したのは、約15年前。超音波洗浄装置を搭載した全自動洗濯機『えりピカそでピカ』(洗濯機の上面に洗浄ノズルがあり、蓋を開けた時にセットされる洗浄トレーの上で、衣類を挟むようにして汚れた部分を洗浄ノズルに当て、洗浄するというもの)だった。
洗浄ノズルは洗濯機に固定されており、トレーとノズルの間に入るワイシャツなどの薄い衣類しか洗うことができず、帽子やぬいぐるみのような厚みのあるものの汚れを落とすことはできなかった。
そこで、より幅広い布製品を洗うことができるハンディータイプの超音波洗浄機を作ろうと、2015年に新製品の開発がスタートした。
洗濯機に搭載した超音波洗浄装置の小型化が課題だった。先端のホーンや電池、回路などの部品を、小さな本体にどのように配置するか検討を重ねた。
また、超音波振動の周波数は、衣類の汚れを落とすのに最適とされる毎秒約3万8000回を採用。ホーンが毎秒約3万8000回振動するようにシャープ独自のチューニングを施し、2016年9月、ついに『超音波ウォッシャー UW-A1』が誕生した。発売するやいなや、この画期的なアイテムは世を驚かせ、多くのメディアに取り上げられた。
しかし、一方で「かばんに入るサイズだが、持ち運ぶのには少し重い」「家で使うことが多い」「外にも持ち運びたい」という声もあり、さらなる小型化を目指すことになった。