いじめやDVなどの被害に遭っている場合、相手に内緒で録音や録画をするのは正当な防衛行為です。後ろめたく思う必要は全くない。ここでは、離婚とご近所トラブルの際の録音・録画の正しい録り方を解説します。
まずは、離婚の際はどうだろう。慰謝料や財産分与などの交渉の場面では、夫婦の話し合いを録音すると役立つケースが多いという。レイ法律事務所の弁護士・松下真由美さんはこう語る。
「例えば夫に不倫の疑いがあり、それが原因で離婚する場合、不倫の証拠が必要になります。しかし、浮気相手とのメールが消されていたり、あっても証拠として弱い、不倫相手が事実を認めないなどの時は、何かの折に夫が口頭でポロッと事実を認めた瞬間を録音しておくと、充分な証拠になりえます」
録り漏らさないよう、夫婦で話し合いを始める前には必ず、ICレコーダーのスイッチをONにしたまま、衣類のポケットなどに忍ばせておこう。
続いて、近隣トラブルの場合はどうだろう? 近隣トラブルの中でも、特に汚物を投げつけるなどの嫌がらせについては、カメラで録画して証拠を撮るのがおすすめだ。その際、相手にバレないようにするには、ダミーの防犯カメラを目立つ場所に付け、周囲から見えにくい部分に本物のカメラを設置しよう。
元警察官で現在は危機管理コンサルタントの佐々木保博さんはこう語る。
「実際に、自宅の敷地内にある自転車のかごに、汚物を入れられた被害者が、庭に取り付けたカメラで隣人の行為を撮影し、警察に動いてもらったケースがあります」
騒音の場合、市販の騒音計を買って、騒音の数値を測定し、その数値と騒音が出ている様子を同時に撮影すれば証拠になる。
※女性セブン2018年9月20日号