約10年にわたる闘病のすえ、乳がんで53歳の若さで世を去った漫画家のさくらももこさん。最初の発症時に受けた抗がん剤治療に苦痛を感じ、再発後は「民間療法」に切り替えていたという。
民間療法を選ぶのは薬や手術で効果が得られなかったり、「西洋医学に頼りたくない」と考える患者のケースが多い。
特にがん患者が行なうものは「がん代替療法」と呼ばれ、がん患者の実に44.6%が何らかの代替療法を受けているとの調査もある(2005年・厚生労働省『我が国におけるがんの代替療法に関する研究』より)。
実際に民間療法を病院やクリニックでの治療に取り入れている医師は少なくない。だが、総合内科専門医で民間療法の現状に詳しい秋津医院院長の秋津壽男医師はこう指摘する。
「民間療法は玉石混淆です。効果が医学的に証明されているものを正しい目的で治療に用いるのはいいが、エビデンスがない療法はかえって病状を悪化させる危険がある」
そこで、秋津医師と、新潟大学名誉教授の岡田正彦医師に、医学的な観点からそれぞれの民間療法を★0~5つで評価してもらった。