国内

ネット民は朝日vs産経の代理戦争を繰り広げている

呉氏と中川氏が語り合った

 安倍政権の特徴は、「熱烈な親安倍」と「強烈な反安倍」の右左の罵り合いがその他大勢の国民をうんざりさせていることにある。本誌・週刊ポストで「ネットのバカ 現実のバカ」を交互連載する呉智英氏(評論家)と中川淳一郎氏(ネットニュース編集者)の2人が、この衆愚化した言論状況について語り合った。

呉:左翼の退潮については、4年前に慰安婦問題で朝日新聞が謝罪会見をしたとき、地殻変動が起きるんじゃないかと思っていたが、やはりあれは決定的に大きかったと思う。左翼の言ってるのは全部ウソじゃないかという雰囲気が出てきている。

中川:安倍応援団の人たちは、朝日新聞がモリカケ問題とかをスクープしても、全部「朝日だからフェイクニュースだ」で済ませちゃう。逆に反安倍の人たちは産経に安倍政権に都合のいい記事が出ると、「どうせ産経だろ」って言う。ネット民は、朝日vs産経という不毛な代理戦争を繰り広げているんです。

呉:私は前々号のポストで産経を叩いたんだけど(「“愛国保守知識人”が日本語を壊すというブラックジョーク」)、物事を敵か味方か、左か右かと単純に考える人が多すぎる。産経新聞にも私と同世代だと、成田闘争で火焔瓶投げていたようなヤツがいて、私が書く産経の悪口も平気で載せた。それがいまや全面的に安倍応援団になってしまっている。

中川:旗印を鮮明にしないと読者が受け入れなくなっているんだと思います。私は某メディアに寄稿した際、「原発推進派の意見がネットでくすぶり始めた」と書いたら、「うちの読者はこれを望んでないんですよ」と、書き直しさせられたの(笑い)。あぁ、これは読者の期待を裏切ってはいけないという判断が働いているんだなと思って。

関連キーワード

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン