「わがまち真備の復興を!」──9月に入って新学期が始まっても、西日本豪雨で甚大な被害を受けた、岡山県倉敷市真備町の付近の学校の体育館などでは、多くの被災者が避難所生活を続けている。市の真備支所の壁面には、8月16日から冒頭のように綴られた懸垂幕が掲示されている。同日朝、伊東香織・倉敷市長(52)は職員の前で挨拶し、懸垂幕の掲出を見守った。
東大法学部、ハーバード大学ロースクールで学んだ元総務官僚の伊東市長は、2008年に初当選。「史上最年少の女性市長(当時)」と話題をさらい、現在3期目だ。
だが、その2週間前の8月3日に「がんばろう! 倉敷・真備」と書かれた懸垂幕がかけられ、わずか1日で外されていた。市関係者は苛立ちを隠さない。
「地元の有志が計画したものでしたが、『文言について市長の決裁が降りていない』ということを理由に外されました。一体どこに問題があったのか。あの市長は、何事も自分で決めないと気が済まないのでしょう」
別の市関係者が続ける。
「それだけではありません。豪雨直後の7月下旬、福山市のドックに係留中だった『豪華クルーズ客船』を、避難所とする計画が進められたんですが、それにも突然ストップがかかったんです。