血液型と言えば、日本では「性格診断」や「占い」のイメージが強い。だが、海外の医療機関では、血液型によって「病気リスク」が変わるという相関関係が最新研究によって明らかにされつつある。
血液型と病気との関係を理解するうえで重要なのは、それぞれの血液型が、血漿中に異なる「抗体」を持つことだ。抗体は、ウイルスや細菌などの異物を体内から追い出すはたらきを持つ。東京大学医学部付属病院放射線科准教授の中川恵一医師が解説する。
「研究が進められている段階なので断言はできませんが、それぞれの血液型が異なる抗体を持っていることが、病気の発症リスクと関わっているのではないかと考えられています」
日本人の死因の1位である「がん」は、血液型と発症リスクの関係に関する研究が世界中で進んでいる病気のひとつだ。中でも、医学論文がとりわけ多いのが、「胃がん」と「膵臓がん」である。
日本人男性の年間罹患数は約9万人と、発症例が最も多い「胃がん」は、「A型」が最もかかりやすいという研究結果が出ている。
スウェーデンのカロリンスカ研究所が2010年に発表した、約109万人を対象に35年間にわたって追跡調査した研究結果によると、A型の胃がん発症リスクは、最も低いO型に比べて約1.2倍高かった。