中国の投資家による日本各地の土地買収が話題になっているが、フランスでは中国企業による農地の買収が問題化しており、フランス中部シャティヨン・シュル・アンドラで、農業従事者約100人が中国の投資家によりフランスの農地が投機商品扱いされていることに反対するデモを行った。フランス通信(AFP)が報じた。
中国企業が高値で土地を購入するため、農地が高くなり過ぎ、農業学校を卒業した若者は土地を買うことができず、農業に従事できないという深刻な問題も起こっている。
フランスのマクロン大統領も事態を重視し、2月に「どんな目的かもわからないまま、外国人に何百ヘクタールもの土地を買わせるわけにはいかない」と発言し、農場買収と外国人投資家に対する規制を強化すると発表した。現在、新しい農業法が準備されており、来年初めにも発表されるという。
フランスのデモ現場では8月29日、フランス各地から集まった農業従事者約100人が「土地は農家のためのもの」「土地を農家に戻して」との横断幕を掲げ、トラクターやブルドーザーなどの重機も登場して、「中国人は出ていけ」などとのシュプレヒコールが巻き起こった。
農業従事者労働組合・フランス農家協会もデモに合わせて同日、「土地は農民たちの支えにより食糧を生産するものだ。しかし、中国資本はビジネスのためであり、世界的な株式に影響を及ぼす材料となっている」との声明を発表し、中国企業の投機目的による土地購入を批判した。同協会スポークスマンのローレン・ピナテル氏は「フランスの農民たちは中国企業の土地買い占めに本当に怒っている」と述べている。