現在JRAでは8種類の馬券が売られている。枠連だけ買っていればよかった世代にとって、どの馬券を中心に買うかというのは悩ましいところだろう。そこでは「当てたい」のか「儲けたい」のかが問われる。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、単勝、馬連、三連単、どの馬券で勝負すべきかについて考えた。
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現在もっとも売上が多いのは三連単。今年のダービーでいえば、売上のおよそ37%を占めている。その次が三連複で20%弱、馬連は16%ほどだ。三連単を1点で当てようなんていうのはあまり現実的ではなくて、どうしても投資額が多くなる。前出の売上の割合はそれが反映されている。
もちろん馬券を1種類しか買わないという人は少ないし、自分が決めた軸馬の人気や信頼度に応じて、馬券の種類を選んでいるベテランもいる。だから決める必要はないともいえるが、当然のように多くの種類を買えば買うほど出資は嵩む。何種類もの馬券を買っているために自分の買い目を忘れ、ゴールした後に掲示板と自分の馬券を見比べている人をよく見かけるが、あまりスマートとはいえない。喜びはゴールの瞬間と共に味わいたいものだ。
競馬場では馬券検討に費やす時間も限られているので基本スタンスは決めておいたほうがいい。なにより1種類を決めて買い続けることで、その馬券の持つさまざまな特性や傾向に気づくことになり、その馬券のスペシャリストになれるはず。
平成がはじまったころ、馬券は単・複・枠連の3種類しかなかった。昭和30(1955)年以降、馬券の売上はずっと前年比をクリアしており、昭和52年に1兆円の大台に乗った後も上昇を続け、昭和63年には2兆円に達していた。驚くことに売上2兆円台というのはわずか2年で、平成2年には3兆円を楽々と超えてしまう。