国内

ブロック塀倒壊死亡、過去地震でも 阪神大震災では14人犠牲

ブロック塀の危険性は昔から指摘されていた(写真提供/エコ.グリーン設計)

 6月18日に、最大震度6弱を記録した大阪北部地震において、高槻市立寿栄小学校に通っていた小学4年生の女児を圧死させたのは、建築基準法に違反したブロック塀だった。高さ3.5mのうち、コンクリートのブロック8段で組まれた1.6mの上段部分が、約40mにわたって通路側に倒れている映像は、日本中に大きな衝撃を与えた。

 国土交通省の資料を振り返れば、こうしたブロック塀の危険性はかなり昔から指摘されている。

 建築基準法が制定されたのは1950年。しかし、補強コンクリートブロック造にかかわる基準はなかった。後の1959年にコンクリートブロックについての項目が制定されるも、高さの基準はなかった。

 1968年には、十勝沖地震が発生。さらに、1971年は補強コンクリートブロック造の塀にかかわる基準が制定された。この際には、高さ3m以下、一定間隔の配筋、控え壁の配置などが示された。

 1978年宮城県沖地震が発生。ブロック塀の倒壊で下敷きになって18人が死亡。全体の死者28人に対して多くを占めた。

 こうした状況を受けて、1981年大幅な建築基準法が改正される。塀の高さの上限が3mから2.2mに引き下げ。高さ1.2m超の場合、長さ3.4m以下ごとに控え壁を設置。高さ2m以下の場合10cm以上、2m超の場合15cm以上の壁の厚さが必要などの明記がなされた。

 1995年阪神・淡路大震災が発生する。約2500か所でブロック塀が倒壊。確認された数だけで、14人が死亡した。

 2005年福岡県西方沖地震によって、ブロック塀が倒壊。死者1人となった。

 さらに、2011年、東日本大震災が発生。「甚大な被害のため、ブロック塀による被害を把握できていません」と、国土交通省担当者は述べる。

 2016年には熊本地震。ブロック塀の倒壊による死者1人だった。

 そして、冒頭にお伝えした2018年大阪北部地震。ブロック塀の倒壊による死者2人。ここでの被害により、全国で学校施設のブロック塀の安全点検が行われた。

※女性セブン2018年9月27日号

関連記事

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン