合計238歳になる元参議院議員(自民党)の村上正邦氏(86)、元参議院議員(民主党など)の平野貞夫氏(82)、元参議院議員(共産党)の筆坂秀世氏(70)によって結成された「老人党」。政界の裏も表も深く知る、彼らの座談会が面白くないはずがない。何かと祖父・岸信介を話題にする安倍晋三首相の歴史認識について語り合った、老人党座談会の様子をお届けする。
平野:安倍さんは薩摩の桜島をバックに総裁選の出馬表明をしたじゃない。そのときの講演で、「しっかり薩摩と長州で力を合わせ、新たな時代を切り開いていきたい」と言った。私は20年ほど前に、明治以降の政党政治の歴史をまとめた『議会制度百年史』の編集に携わったんですが、その出版記念会でお父さんの安倍晋太郎さんは、「日本の議会100年は長州の官僚政治が負ける歴史だ。政党が勝つ歴史だ」と演説したんですよ。それを思い出した。政党政治の歴史は薩長の官僚政治との闘いだったんです。息子は父親の学んだ日本の政治史が全くわかっていないなと。
村上:勉強不足ですよ。安倍は祖父の岸さんのことばかり話すけど、親父さんから学んだほうがいい。
平野:安倍晋太郎さんは特攻隊の生き残りですからね。だから、戦争にも非常に厳しい見方をしていた。
村上:今、NHK大河で『西郷どん』やっているでしょう。あれを見ながら、安倍は西郷を生き返らせよう、自分が西郷になってやろうと思っているんですよ。