血液型と言えば、日本では「性格診断」や「占い」のイメージが強い。だが、海外の医療機関では、血液型によって「病気リスク」が変わるという相関関係が最新研究によって明らかにされつつある。
血液型と病気との関係を理解するうえで重要なのは、それぞれの血液型が、血漿中に異なる「抗体」を持つことだ。抗体は、ウイルスや細菌などの異物を体内から追い出すはたらきを持つ。東京大学医学部付属病院放射線科准教授の中川恵一医師が解説する。
「研究が進められている段階なので断言はできませんが、それぞれの血液型が異なる抗体を持っていることが、病気の発症リスクと関わっているのではないかと考えられています」
例えば、がんとともに三大疾病とされる「心疾患」と「脳卒中」については、「AB型」のリスクが高いという研究結果が続々と報告されている。
2010年に米ハーバード大学が約9万人を対象に行なった調査によれば、「冠動脈心疾患」のリスクは、最も低いO型に比べ、AB型が1.23倍高いことが分かっている(同調査では、B型の発症リスクもO型より1.15倍高かった)。
さらに、2014年に米バーモント大学が約3万人を対象に行なった調査によれば、AB型は「脳卒中」のリスクが、最も低いO型に比べて1.83倍高かった。
「血栓症」も、最もかかりにくいO型に比べ、AB型のリスクが2.24倍高いことが、2016年のスウェーデン・カロリンスカ大などによる研究で分かっている。