細身のスーツが映える長い脚、ワイシャツの袖をまくると現れる白い腕に浮いた血管。観客に背を向けると、背中には汗が滲んでいる。ときにコミカルにときにシリアスに、そして、キスシーンでは色気のリミッターを外して、田中圭(34才)が、見る者をその世界へと引き込んでいく。
9月1日に始まった舞台『サメと泳ぐ』で田中が演じるのは、脚本家で成功したいという野心を胸に秘め、憧れの世界の扉を叩く純朴な青年。上司の大物映画プロデューサー役は田中哲司(52才)だ。成功するためには手段を選ばない周囲に染められて、次第に2人の歯車は狂っていく。
田中はこの春、男性同士の純愛を描いたドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)で大ブレーク。8月上旬に発売したドラマの公式本は15万部を突破した。
9月13日放送の『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)では、人気コーナー『グルメチキンレース ゴチになります!』の新メンバーに決まったことが発表され、ネットは大盛り上がりとなった。
「とにかく今、田中さんの人気がすごい。雑誌のグラビアをはじめ、2年前に発売された写真集が再び売れに売れている。今回の舞台ではドラマの役柄を彷彿とさせるスーツ姿の場面も多く、女性ファンが殺到。追加公演が決まり、連日、立ち見席が用意されています」(芸能関係者)
舞台初日の前日である8月31日の夜7時、最終リハーサルを終えた田中は東京・三軒茶屋にある世田谷パブリックシアターから足早に出てきた。胸元が大きく開いた秋らしいベージュのシャツに黒のハーフパンツ姿。手にはバームクーヘンで有名なスイーツショップ『治一郎』の紙袋を提げ、脇にはお酒の箱も抱えている。田中は1分1秒を争うような急ぎ足で車に乗り込んだ。
「田中さん、その日は自宅での夕飯の時間に間に合わせるためにと、必死に急いで帰っていました」(舞台関係者)
田中は2011年にドラマで共演した元女優と結婚。翌年に長女、2016年に次女が誕生した。
「田中さんの大ブレークを喜びながらも複雑な胸中で見ているのが奥さんだとか。ドラマ、舞台、映画にバラエティー番組への出演も続いて超多忙な上に、スタッフたちとの会食も増えて、家族と過ごす時間が減ってしまった。それだけに、家族とのごはんの約束は絶対のようで、仕事が終わったら一目散に自宅に帰るんです。愛妻家でうらやましいですが、恐妻家ともいわれています(笑い)」(前出・舞台関係者)
ちなみに上司役の田中(哲司)も、この日は6月に双子を出産したばかりの妻・仲間由紀恵(38才)の元へまっすぐ帰宅。「嫁さんずラブ」な男たちだった。
※女性セブン2018年10月4日号