芸能

樹木希林さん 「がんと生き、がんで死ぬ」を全うした晩年

最後までがんを生きた樹木希林さん(写真/ABACA PRESS/時事通信フォト)

 9月15日、女優の樹木希林さんが逝去した。享年75。最期まで第一線で活躍を続けた女優は、10年以上にわたって、がんと共に生きる日々を送った。

 樹木さんはがんが見つかる度、鹿児島のクリニックを訪ねた。放射線療法の一種の「四次元ピンポイント照射療法」を行なう施設だ。医療ジャーナリストの田辺功氏は同療法についてこう語る。

「がん組織に対して放射線を立体的に当てる『三次元照射』に、呼吸によるがんの位置変化を追跡する時間軸を加えたのが『四次元ピンポイント照射』です。がん細胞のみを狙い撃ちし、正常な細胞を傷つけることが少ないため体への負担が軽いとされています。一方、保険適用外のため、1回の治療で150万~250万円ほどする」

 樹木さんは臨床試験で実証された標準治療ではない道を選んだ。結果として、彼女はがんを患いながらも女優として生き続けた。

 その遺作は、来年公開予定の映画『エリカ38』だ。樹木さんが初めて企画を手がけ、撮影は今年1~4月に行なわれた。主演の浅田美代子(62)へ演技指導をし、編集にも入念にチェックを入れていたという。

「本当に病気なのか、と驚かされるほどでした。がんを告白してからは、人生の終わりが近づいていることを意識してか“むしろいい作品を残したい気持ちが高まってきた”と話していたほど」(映画関係者)

 撮影後の5月、映画『万引き家族』のカンヌ国際映画祭での公式上映のため、フランスを訪れた。死のわずか4か月前のことだ。

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