時代とともに変わっていくのが料理の常識だ。たとえば、かつては「白菜は緑色の外葉から使う」と言われていたが、いまはその逆が常識になっているという。管理栄養士で日本野菜ソムリエ協会講師の中沢るみさんが説明する。
「カットされた白菜の場合は内側部分から使うことで、白菜の内側にある成長点を止めることになります。これにより外側の栄養が内側へと吸収されにくくなり、風味を損なわずに長持ちします」(中沢さん・以下同)
たけのこのヒダにある白い粉もかつては「洗うべき」といわれていたが、今はそうではない。白い粉はアクやえぐみではなく、たけのこの持つ成長ホルモンの素“チロシン”。
「肌や髪、骨や内臓などを再生させる若返り効果が。不眠やうつ症状を和らげる作用もあります」
水分が蒸発しやすかった雪平鍋に比べ、保温力の高い鍋やフライパンが揃う現代。「野菜を茹でる際はたっぷりにお湯で」という常識も時代遅れとなっている。
「茹でるというより、ふたをして蒸す。ほうれん草や小松菜等の葉物なら一束、水50cc程度でOK」
また、以前は「みょうがを食べると物忘れが多くなる」と言われていたが、むしろ逆だという。
「昔の話はまったくの迷信。むしろみょうがには高ぶった神経を鎮め、集中力を高めてくれる効用があるため、頭の回転がよくなり、記憶力をアップさせます。食べる時は生で」
※女性セブン2018年10月4日号