9月10日、警視庁新宿署はナンパ講座「リアルナンパアカデミー(RNA)」の塾長で会社役員の渡部泰介容疑者(42才)を準強制性交等の容疑で逮捕した。昨年11月、ナンパした20代女性を酒に酔わせ抵抗できない状態にして、東京・歌舞伎町のホテルで塾生と2人がかりで乱暴した疑いだ。
RNAの塾生は今年に入って同様の容疑で3人が逮捕されている。うち1人は坊主姿で裁判に現れて涙する場面もあったが、彼らを指導した塾長に反省の色はなかった。
10年ほど前に設立されたRNAは「受講生がセックスした数日本一」と謳い、塾生は全国に約100人。短期間でナンパの実力が飛躍的にアップするというスペシャルコースは約30万円と高額だ。しかし、人気は高く、医師や一流企業の社員までもが受講するという。
そのRNAが“虎の巻”とするのが初級・中級・上級に分かれたナンパマニュアルだ。計450頁もの分厚いマニュアルは、各巻約1万5000円。だが、その内容はあまりに陳腐で荒唐無稽なものばかり。
本誌・女性セブンは、そのマニュアルを入手。ここでは、上級編を紹介しよう。上級編をひもとくと、「血液型別攻略法」なるものにまるまる1章を割いている。
「A型は貞操観念が強い」「O型は押しに弱く流されやすい」という分析(!?)にはじまり、「やわらかい温和な顔立ち、パッチリとした目でたれ目という女の子は、ほとんどがO型になります」との記述も。
ほかにも「女子高生は社会経験に乏しく、異性への興味が強いのでナンパでいちばん仲よくなりやすい」「遊ぶアポが取れる女の子は99%オトせる」と豪語するが、具体的な根拠は綴られていない。
最大の問題は「飲みの席ではまずゲーム。罰ゲームでお酒を飲ませることで、エッチな流れを展開できます」とお酒の強要を推奨している点だ。イカサマをまじえたゲームの必勝法を紹介し、「仕組まれていると女の子に感じさせないこともポイントです」と結ぶ始末。
例えば、各人が数字を1つから3つまで進めて言い合い、最終的に31を言ったら負けになる「31(サーティーワン)ゲーム」。男性2人が組んで数字を操作する方法を詳細に説明するが、冷静に考えれば、誰でも気づけるものばかり。しかし、この章は次のように結ばれる。
《このゲームは勝敗が決まっている上に確実に勝てるゲームなので、かなり使えるゲームになります》
多くの塾生がこれをうのみにし、実践したのか。
上級編最終章のタイトルは「ハメ撮りの技術」。ナンパからは、進みすぎている“テクニック”だが、渡部容疑者は「和姦の証拠」を残すため、塾生に性行為の撮影を指導していた。
性行為の撮影を女性が拒否したら、「セックスの時が、女の子はいちばんきれい」「かわいいから撮りたい」と褒め倒したり、「女の子に目隠しをした状態で撮影する」ことを勧めるのだという。
一連のマニュアルから浮かび上がるのは、女性をモノのように扱い、バカバカしい理屈をつけて性欲を満たそうとする男性の身勝手さだ。
渡部容疑者に乱暴された被害女性は、「デートの予定がキャンセルになり、イライラして愚痴を聞いてくれるならと応じてしまった」と深く後悔しているという。こんな卑劣な男たちを野放しにしてはならない。何よりこんなバカな男たちに、ついていってはいけない。
※女性セブン2018年10月4日号