名建築家によってつくられた宿に泊まる醍醐味は、外からも内からも建築を味わえること。巨匠・安藤忠雄が手がけたのが愛媛県松山市の「瀬戸内リトリート青凪」だ。これまで500軒超の名建築宿に泊まった紀行作家の稲葉なおと氏が案内する。
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元は隣接するゴルフクラブの宿泊施設兼美術館として1998年に竣工。2015年、約3億円をかけ改修、全室100平方メートル超のホテルとなった。
客室はわずか7室で、全てスイートルーム。屋内外2つのプールやギャラリーなど、共用スペースの豊かな構成は欧州の小規模リゾートを思わせる。安藤建築ならではのコンクリート打ち放しもメンテナンスが行き届き、サービスにおいてもミシュランの5つ星を獲得。
「瀬戸内リトリート青凪」
・住所:愛媛県松山市柳谷町794-1
・チェックイン15時/チェックアウト11時
・料金:1泊2食付き1室2名利用でひとり4万8600円~(税・サ込、入湯税別)
◆撮影・文/稲葉なおと
【プロフィール】いなば・なおと/紀行作家・写真家。1959年生まれ。東京工業大学建築学科卒。長編旅行記『遠い宮殿』でJTB紀行文学大賞奨励賞受賞。『0マイル』『まだ見ぬホテルへ』『匠たちの名旅館』『モデルルームをじっくり見る人ほど「欠陥マンション」をつかみやすい』など著書多数。11月5日に学士会館(東京・千代田区)にて講演「『建築家の宿』の知られざる物語」開催。
※週刊ポスト2018年10月5日号