家庭菜園は暖かい春から夏にかけてするものと考える人も多いかもしれないが、実は秋からでも楽しめるのだ。暑さが収まってきた今、植えるなら葉菜がおすすめだ。
「小松菜やほうれん草は今がまき時。大きく育てられますが、草丈10cmほどのベビーリーフの大きさで摘めば、早く収穫できるので、何度も楽しめます」
種苗メーカーの「サカタのタネ」の力石まり子さんは、秋こそビギナーが野菜作りを始めるのによいと言う。
「極端な暑さ寒さがなく、病害虫も少ないので、管理が楽なんです。また、近年では成長が早くてすぐ収穫ができるほか、小スペースからでも始めやすい商品が多数、販売されています」(力石さん)
家庭菜園はより身近になっているようだ。
◆メインは葉菜。根菜や豆にもチャレンジを
秋から育てられる野菜について、それぞれ説明しよう。
【ベビーリーフ】
種をばらまいて、上から軽く土をかける“ばらまき”の方法で種をまき、1か月以内に収穫できるまでに育つので、最も初心者向け。1袋に8~10種類の葉菜の種がミックスされたものが市販されている。
【小松菜】
種まきは“すじまき”の方法で。小松菜は品種がとても多く、季節に合った品種を選べば、ほぼ1年中栽培が可能。秋は、寒さに強い品種の“はまつづき”がおすすめ。秋用は10月下旬までに植えると、越冬しやすい。
【春菊】
大きく分けると、1本の太い茎から脇芽が少し出て、茎が伸びやすい「摘み取り型」と、根元から株が張っていく「株張り型」の2タイプの品種に分けられる。摘み取り型は先端から摘むと、脇芽が次々と伸び、葉がやわらかくて使い勝手がよい。株張り型は、外側の葉から摘んでいくか、株を丸ごと収穫する。
【ラディッシュ】
“すじまき”で種をまき、間引きしながら株元が大きくなったら収穫する。
【わけぎ】
球根だが、育て方は簡単。10月上旬頃までに植え、6週間ほどで収穫できる。収穫時に株元を2~3cm残しておくと再生し、何回か収穫できる。
◆白菜やブロッコリーをプランターで
地植えなら大根なども植え時だが、キャベツや白菜なども見た目にこだわらなければプランターでも作れる。
「売り物のように結球させるのは難しいですが、外側から葉を採ればおいしく食べられます。ブロッコリーは、茎ブロッコリーの品種なら何度も収穫でき、大きめのプランターで楽しめます」(園芸研究家・山田幸子さん。以下・同)
◆中級者は春に向けて豆栽培
中級者におすすめなのが、そら豆やさやえんどう。
「耐寒性があまりないものの、10月中旬~11月上旬の寒さが本格化する前に種をまいて発芽させると、寒冷地以外では冬を越せるようになります。
まずビニールポットに2粒種をまき、途中で元気な方を1本残します。発芽2~3週間後に苗をコンテナに植え替えます。春に大きくなるので支柱を立て、根をしっかり張らせると、初夏に実ります」
ただし、夏に同じコンテナでさやいんげんを植えていた場合、連作障害の心配があるので培養土をしっかりリフレッシュさせて。
※女性セブン2018年10月11日号