国内最大級の公的研究機関『産業技術総合研究所』やH-IIロケットの実物大模型が展示される『つくばエキスポセンター』、宇宙航空分野の研究開発を担っている『JAXA』など、日本のサイエンス産業に関連する研究機関や企業が集積しているつくば市。
同市はロボット産業の研究開発も充実していると、つくば市 政策イノベーション部科学技術振興課の前島吉亮さんは言う。
「つくば市は人工的につくられた街で、自転車と歩行者の専用道路も整備されており、その道路を使って自立走行ロボットで移動する実証実験などのプロジェクトも以前から行っています。
またロボット産業では、体の不自由な人などのアシストをする世界初のサイボーグ型ロボット『HAL』を研究開発した『サイバーダイン』などの有名企業も多数存在しています」(前島さん・以下同)
こうした背景から、ロボットの街としてPR活動が始まったのが2007年。その後、2011年には、電動立ち乗り二輪車『セグウェイ』の公道実証実験を開始した。
セグウェイは移動を手助けするロボットとして、海外では100か所以上で導入され、国内では空港の警備、アメリカでは警察官の防犯パトロールにも使われている。
「つくば市では現在、月に2~3回、『セグウェイツアー』を開催しています。18才以上で普通自動車免許証、または、普通自動二輪免許証の所持が必要ですが、つくば駅周辺を1時間半かけて巡ります」
速度は時速6~8kmと比較的ゆっくりだが、その分、自転車や自動車とは違った景色が見える。
土日祝日には『つくばエキスポセンター』などの研究所を巡回する『つくばサイエンスツアーバス』(大人500円・小学生250円)も運行している。ガイドの説明を聞きながら、最先端の技術を学べると好評だ。
そのほか、つくば市立中央図書館では、今年3月に自動追従運搬ロボット『サウザー』を導入。本などの運搬を行っている。
「ロボットが担うのはあくまで人間の補助ですが、今後は、少子高齢化、労働不足が進む日本の課題を、ロボットによって解決していくことが目的です」
自動車の自動運転だけでなく、ロボット技術はさまざまな分野で確実に実用レベルに進歩している。
※女性セブン2018年10月11日号