音楽活動を中心に、小説やテレビ、チャリティーなど、幅広い分野で活躍するさだまさし。その行動力や発想力の源泉を探る短期特別連載に登場するのは、同じくバラエティー番組や映画などで多彩に活躍する笑福亭鶴瓶と、TBSドラマ『下町ロケット』などでの名演も話題の立川談春。さだとの親交も深い東西の人気落語家2人が、さだの人間性について語り合う。
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談春:鶴瓶師匠と「さだまさし」を肴に語るなんて、いいんですか? こんなことしちゃって。でも、読者の皆さんの多くは、鶴瓶師匠とさださんの関係がわからないんじゃないですかねぇ。もともと、師匠の一方的なラブコールから関係が始まったってんでしょ?
鶴瓶:そうそう、そうやねん。僕が最初に持ったラジオが名古屋なんですよ。東海ラジオの『ミッドナイト東海』っていう番組。大阪人からすると名古屋ってキッツイところで、大阪と東京のど真ん中だから微妙なプライドがある。だからって名古屋に媚びるつもりもないし、「こんばんは。笑福亭鶴瓶でございます」って普通にやってたんやけど、その時の定宿が繁華街にある老舗ホテル。でね、このホテルに仲のいいフロントマンがいて、俺がさだまさしのこと、好きやって知っているから、ある時、「今日さださん、泊まっていますよ」と耳打ちしてくれた。
談春:師匠とその方の間に特別な人間関係があったから教えてもらえたんでしょうね。いつ頃の話ですか?
鶴瓶:ちょうど映画『長江』をやってた頃かなあ。でな、さだまさしが泊まってることに驚いて「うわー」って口にしたら、「なんかメッセージ書きませんか」と言ってきた。「そんなん失礼でしょ、会ったこともないのに」って言いつつも、まあちょこちょこっと書いた。そしたら、そしたらな、あの男、深夜の生放送に飛び入りで来よったんですよ。
談春:この話、まさしさんからも聞いたことあるんですけど、まさしさんいわく、打ち上げが終わって深夜1時過ぎにホテルに帰ってきたんですって。そしたらフロントマンから手紙を渡された。まさしさん、落語好きだから「笑福亭」に反応した。