がん治療に強い専門施設…テレビや雑誌の特集などでよく見かけることがあるが、自分や家族ががんになった時、そうした施設の近くに住み、診てもらえる幸福な人はそう多くはない。
国立がん研究センター(国がん)が9月12日、全国251医療施設で主要5部位(乳房・胃・大腸・肺・肝臓)のがんと診断された約50万人の患者の、進行度(ステージI~IV)別5年生存率を公表。
それによると、病院によって生存率に大きな差があることがわかった。肝臓がんの1位は60%超だったのが、下位には1ケタ台の病院もあった。病院間の明確な「格差」である。また、地域によっても格差があることが浮き彫りになった。
女性セブン10月4日号で『がん5年生存率「全国251病院」衝撃ランキング』を掲載すると、編集部には全国から問い合わせが相次いだ。そうしたお声にお応えして、ここでは九州・沖縄地区の情報についてお伝えする。
傾向として、ステージIの患者を多く受け入れる病院は治る可能性が高いので5年生存率は高くなり、他の病院が受け入れていない末期患者を終末医療込みで引き受けるような病院は生存率が低くなりやすい。このランキングだけで「いい病院・悪い病院」と横並びに判断することはできないが、患者が病院を選ぶ1つの指標となるはずだ。
※ランキングの見方
国がんが集計した251病院を全国10地域に分け、乳がん・大腸がん・胃がんのステージ別の5年生存率を掲載。患者数100人以上の病院に絞った。その中で、ステージI~IV全体での5年生存率が高い順でランキングを作成している。
*記載しているのは2008~2009年当時の病院名。
*患者数10人以下の場合は「-」表示。
*生存率は、対象となった患者数が30人未満の場合は「-」表示。
・乳がん5年生存率(対象者は女性、以下同)
全体平均 88.6%
ステージI 95.8% ステージII 91.6%
ステージIII 76.6% ステージIV 36.4%
・大腸がん5年生存率
全体平均 65.7%
ステージI 87.9% ステージII 78.4%
ステージIII 70.8% ステージIV 16.7%
・胃がん5年生存率
全体平均 63.88%
ステージI 86.4% ステージII 61.8%
ステージIII 41.0% ステージIV 8.8%
※女性セブン2018年10月11日号