ドライバーの高齢化に伴い、車が持つ「安全性能」がますます重大な関心事となっているが、一般ユーザーが各車の安全性能の違いを比較することは難しい。
しかし、その手がかりとなるデータがある。国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が共同で行なう「衝突安全性能評価」である。
NASVAの試験は、年間の新車販売台数上位の10数車種を対象にしている(同じ車種でも複数のグレードがある場合は、最も販売台数が多いものを採用)。採点は208点が満点で、内訳は「乗員保護性能」が100点、「歩行者保護性能」が100点、そして「シートベルト着用警報装置」が8点となっている。
本誌・週刊ポストでは、同調査の試験を受けた車種のうち、現在も販売中である10社66車種を総合評価点数の高い順に掲載。
最高点(199.7点)を獲得したのは「インプレッサ」(スバル)で、2位に5点以上の差をつけた。自動車に詳しいジャーナリストの福田俊之氏は、高評価の理由が「エンジン」にあると解説する。
「インプレッサは『水平対向エンジン』というスバル独自の技術を採用しています。エンジン本体の薄さが特徴で、衝突した際はエンジンが運転席・助手席の下に潜り込み、乗員を圧迫する可能性を低下させます」