国内

豊洲市場開場直前、関係者から不満噴出「朝はパニックに」

豊洲市場を視察する小池都知事(時事通信フォト)

 10月11日の豊洲市場開場まで1週間を切り、まもなく約900にのぼる関連事業者の“引っ越し作戦”がスタートする。土壌汚染で揺れた豊洲市場は7月に小池百合子・都知事が「安全宣言」を出したが、これまで「築地ブランド」を守ってきた仲卸業者や仕入れ業者からは「土壌問題より深刻なのは、私たちの仕事する環境が全く整っていないことだ」と不満の声が上がる。

 豊洲市場が仕入業者らに初めて公開されたのは9月下旬。東京都内の高級すし店主A氏は「このままじゃ市場に入場することすらままならない」という。

「築地には6か所ある入場門が豊洲には1か所しかないから公開日には車が大渋滞した。公開日に集まったのは1000人程度だが、市場には荷受や配達トラックなどで1日2万人ほどが早朝に密集する。セリに遅れて鮮魚を仕入れ損ねたら、お客さんにどう謝ればいいのか。そもそも駐車場の場所すらしっかり決まってないんだから、大変なパニックになるのではないか」

 豊洲市場で準備を進める仲卸業者B氏も続ける。

「豊洲市場では、生簀の水を流したら排水溝の径が狭すぎて詰まって水浸しになった。俺たち現場の声を聞かず、使い勝手を度外視してつくったから、こんなことになっているのではないか」

 豊洲移転問題の解決を託されて都知事に当選した小池氏が開業延期を決定したのが2年前。そこから都は何をやっていたのか。

「市場の本来の機能という重要な課題が、土壌汚染問題から盛り土の話にすり替わって、安全宣言ですべて解決したみたいになってしまった。小池さんは世間の関心がある時だけ口を出してその後は知らんぷり。それはないんじゃないか」(仲卸業者B氏)

「築地の中で移転賛成派と反対派に分かれたのは事実だが、その間に役人がどんどん建設を進めてしまった。とにかく10月の開場に間に合わせることだけが都の目的になっていったのではないか」(仲卸業者C氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

気持ちの変化が仕事への取り組み方にも影響していた小室圭さん
《小室圭さんの献身》出産した眞子さんのために「日本食を扱うネットスーパー」をフル活用「勤務先は福利厚生が充実」で万全フォロー
NEWSポストセブン
“極秘出産”していた眞子さんと佳子さま
《眞子さんがNYで極秘出産》佳子さまが「姉のセットアップ」「緑のブローチ」着用で示した“姉妹の絆” 出産した姉に思いを馳せて…
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《日本中のヤクザが横浜に》稲川会・清田総裁の「会葬」に密着 六代目山口組・司忍組長、工藤會トップが参列 内堀会長が警察に伝えた「ひと言」
NEWSポストセブン
5月で就任から1年となる諸沢社長
《日報170件を毎日読んでコメントする》23歳ココイチFC社長が就任1年で起こした会社の変化「採用人数が3倍に」
NEWSポストセブン
石川県をご訪問された愛子さま(2025年、石川県金沢市。撮影/JMPA)
「女性皇族の夫と子の身分も皇族にすべき」読売新聞が異例の提言 7月の参院選に備え、一部の政治家と連携した“観測気球”との見方も
女性セブン
日本体操協会・新体操部門の強化本部長、村田由香里氏(時事通信フォト)
《新体操フェアリージャパン「ボイコット事件」》パワハラ問われた村田由香里・強化本部長の発言が「二転三転」した経過詳細 体操協会も調査についての説明の表現を変更
NEWSポストセブン
岐阜県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年5月20日、撮影/JMPA)
《ご姉妹の“絆”》佳子さまがお召しになった「姉・眞子さんのセットアップ」、シックかつガーリーな装い
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《極秘出産が判明》小室眞子さんが夫・圭さんと“イタリア製チャイルドシート付ベビーカー”で思い描く「家族3人の新しい暮らし」
NEWSポストセブン
ホームランを放ち、観客席の一角に笑みを見せた大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平“母の顔にボカシ”騒動 第一子誕生で新たな局面…「真美子さんの教育方針を尊重して“口出し”はしない」絶妙な嫁姑関係
女性セブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日の親子スリーショット》小室眞子さん出産で圭さんが見せた“パパモード”と、“大容量マザーズバッグ”「夫婦で代わりばんこにベビーカーを押していた」
NEWSポストセブン
六代目体制は20年を迎え、七代目への関心も高まる。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
《司忍組長の「山口組200年構想」》竹内新若頭による「急速な組織の若返り」と神戸山口組では「自宅差し押さえ」の“踏み絵”【終結宣言の余波】
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン