ここ数年、食事やおやつの与えすぎ、運動不足などが原因で、太りすぎの猫が増えています。とはいえ、猫が自主的にやせられるわけはなく、愛猫の体重管理は飼い主の大事な“仕事”。ここでは、肥満のリスクや猫のダイエット法などについて紹介する。
アメリカのミシガン州で暮らす、3才の猫・ブロンソンくんは、今、ダイエットに挑戦している。
それというのも、3才の猫の平均体重は約3~5kgなのに対し、ブロンソンくんの体重はなんと約15kg。ウエストも約81cmと、誰がどう見てもおデブさんだったから。どうやら亡くなった以前の飼い主が、餌を与えすぎていたのが原因のようだ。
今年4月に新しい飼い主に引き取られたと同時にダイエットを開始。その様子はインスタグラムで公開され、現在フォロワー数は116万人を超え、注目を浴びている。まん丸の体がかわいらしいが、太りすぎのため、麻酔が使用できず、歯の治療が行えない状態だったという。
飼い猫の肥満化は、他人事ではない。日本でも肥満気味の猫は増えていると、猫専門病院Tokyo Cat Specialistsの獣医師・有田早苗さんは指摘する(「」内、以下同)。
「人と同じで、消費カロリーより摂取カロリーが多いと猫も太ります。最近は室内飼いの猫も多く、運動不足になりがち。また、不妊手術をした猫は食欲が増しやすく、太りやすいのです」
◆食事量のコントロール+運動で週に1%減を目標に!
自宅で愛猫が肥満かどうかをチェックする方法がある。
「体毛の上からでも、なんとなく肋骨(あばら骨)に触れられればOK。反対に、肋骨付近を触ってもほとんどわからない時は、太りすぎのサインです」
横から見てお腹が出ていたり、真上から見て腰のくびれがなかったら、これもまた、太りすぎといえる。
「肥満になると起こりやすい病気としては、糖尿病、脂肪肝、関節炎、心臓病、皮膚病など。それらを防ぐためにも、ダイエットが必要になります」
猫のダイエットは、まず食事管理から。ダイエット時の 1日の摂取カロリーは、
「理想体重×35~40kcal」
が、目安となる。愛猫の理想体重は、性別や骨格で変わるので、かかりつけの動物病院で教えてもらうのがベストだ。目標カロリー内に収まる範囲で、ダイエットフードを取り入れてみよう。
さらに消費カロリーを増やすため、適度な運動も取り入れること。一緒におもちゃで遊んだり、キャットタワーを設置するのもよいという。
「食事制限の負担を減らすためにも運動は重要。また適度な運動はストレス発散にもなるので、一石二鳥です」
そして、最低でも週に1回は体重を測ろう。
「急激な体重の減少は健康によくないため、週に1%の体重減少を目標にしましょう」
ダイエットでは、食事の回数を減らすのではなく“増やす”ことが大切。適正量を1日3~4回、小出しで与えることで、空腹の時間が短くなり、1回の食事での満足度が高まる。
人間も過度なダイエットをするとストレスがたまり、リバウンドの危険もある。あくまで猫の体調を考慮しつつ、獣医と相談しながら進めよう。
ちなみに、現在(2018年9月末時点)のブロンソンくんの体重は約13.7kg。ダイエット開始から約5か月でマイナス1.3kgを達成している。人間も猫も、ダイエットは地道な努力が大事ということのようだ。
※女性セブン2018年10月18日号