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『巨人の星』内で金田正一氏だけが最後まで手厳しかった

”消える”魔球で重要なのは土煙だった(C)梶原一騎・川崎のぼる/講談社

 日本が誇る漫画文化のなかでも、一大ジャンルを築いている野球漫画。本誌・週刊ポストでは読者1000人を対象に「好きな野球漫画」のアンケートを実施した(複数回答可)。第1位は、単行本最多巻数を誇る野球漫画の金字塔『ドカベン』(水島新司、557票)、続く第2位には、父と子の人間ドラマを描いた代表的スポ根漫画『巨人の星』(梶原一騎・川崎のぼる/講談社、447票)が輝いた。

 1960年代後半の高度成長期に誕生した『巨人の星』は、「魔球」を野球漫画の一つの手法として定着させるなど、野球漫画に必要なメソッドが集約されている作品。その一方でスポ根漫画の枠を超え、親と子の壮大な人間ドラマを描いた作品とも言える。

 いつも不思議に思うのは、ライバル・花形満に大リーグボールをたった一度打たれただけで飛雄馬は失意のドン底に陥り、二軍落ちを志願すること。当時の川上哲治監督が「他球団ならまだ通用する」と助言をしても、飛雄馬は次の大リーグボール開発に向け、ひとり消える。おそらく読者も川上監督と同意見だったであろう。ただひとり400勝投手・金田正一だけが「とはいってもプロやからなぁ」と突き放す発言をする。

 元々大リーグボールはカネやんが「大リーグでも打てない球を開発しろ」と飛雄馬に言ったことで生まれた。その手前、最後まで手厳しい意見を貫いていたのかもしれない。

 ちなみに、アンケートで3位~10位に入った作品は以下の通り。

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