金髪に真っ赤な衣装がトレードマークのお笑い芸人カズレーザー(メイプル超合金)は、読書家で高学歴のインテリとしても有名だ。その歯に衣着せぬトークは10~20代の若者の支持を集めるが、このテレビにひっぱりだこの人気若手芸人が、さだまさしの影響を色濃く受けているという。さだまさしの秘密に迫る短期集中連載、今回はカズレーザーが歌や小説のフレーズを具体的に引用しながら、その凄さを多角的に分析する。
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「さだまさし」を好きになったのは、両親が運転する車の中がきっかけでした。小学生の頃、毎週土曜日に、自宅から離れたそろばん教室に通っていたんですが、その車内でラジオが流れていたんです。
自宅を出るのが午後3時頃で、車のラジオをつけると、さださんがしゃべってました。その時、『北の国から』も知っていたし、『関白宣言』も聴いたことがあったけど、ラジオの中でしゃべっている人と、『北の国から』を歌っている人が繋がらない。
そもそも、番組ではリスナーのハガキを読んでるばかりで、さださんの曲がほとんどかからない(笑)。しばらくの間、土曜3時に文化放送でしゃべっているおじさんは、「ラジオパーソナリティ」だと思っていました。それもしゃべりが流麗な。
ところがこのラジオがとてつもなく面白い。気づくと、毎週、さださんのラジオを車内でがっつり聴く、というのが生活のサイクルになっていて、すっかり習慣化されていました。最終回も車の中で聴いたと思うんですよねぇ。
テレビ番組でカラオケは、「さださんとワム!しか歌わない」と言いましたが、あれはちょっと盛ってます(笑)。皆で行く時は、ジュリー(沢田研二)とか、大勢で盛り上がる曲をチョイスして歌います。でもひとりでカラオケに行く時は、ヘビロテでさださん。さださんを歌い続けて、最後は 『主人公』で締める、というお約束。