文部科学省が今年2月に発表した「児童生徒の問題行動・不登校等調査」によると、年間30日以上欠席した不登校になった子供は、全国の小中学生合わせて前年度比6.1%増の13万3683人で、4年連続で増加した。
「不登校の原因の多くはいじめですが、他にも先生への不信感、勉強についていけないなど、理由は十人十色です」
こう話すのは、子供の不登校に悩んできた自身の経験を生かし、33年前にフリースクールの草分け「東京シューレ」を創設した奥地圭子さん。
「不登校は突然始まるわけではありません。その前から兆候が表れます」(奥地さん、「」内以下同)
以下のような兆候があるという。
・イライラしている
・原因不明の頭痛、腹痛、吐き気、微熱などの症状がある
・夜眠れていない
・兄弟姉妹をいじめるようになる
・長期休みの前半や金曜日の夜と比べて、元気がない
この他にも色々あるが、どんなサインが出るかは子供によるが、いつもと様子が違う、できないことが増えたなど、「あれっ」と感じることがあれば、「何かあった?」と聞いてみよう。体調不良は、深刻な状態。
心が「大丈夫」と思い込んでいても、体がSOSを出しているのだ。
「“休みたい”という言葉は、相当な覚悟がないと出てきません。かなり追いつめられている証拠。否定せずに受け止めてあげて。そもそも、自分から“休みたい”と言える子は少ないんです。様子がおかしかったら、親の方から“今日は休む?”などと助け船を出してあげましょう」
とはいえ、「休んでいいよ」と言いつつ、長期間不登校になることを心配する親は多い。そんな気持ちが、“学校に行ってオーラ”として出てしまう。
「例えば、“××ちゃん、今度○○高校を受けるんだって”などと、学校関連の話題を振る、子供がテレビを見て笑っている時に、“元気なら勉強しなさい”などと言ってスイッチを切る。これらはすべて、“学校に行ってほしい”という親の本音が具現化した行動。これを繰り返すと子供は安心できず、“症状”が深刻化します」
※女性セブン2018年10月18日号