ライフ

自殺したら元も子もない、「学校に行かない」の後を考える

子供の不登校、親が変わるべきポイント(イラスト/尾代ゆうこ)

 子供は、心と体が壊れるまで学校に通い続けようとする。これは、「学校は行くべき」という固定観念に縛られているから。

 フリースクールの草分け「東京シューレ」を創設した奥地圭子さんはこう語る。「学校は自立して生きていくために知識と経験を積む場のひとつ。その場所が合わないなら他の方法で目的を達成すればいいのです」

 そう思えば親も「いつ学校に戻るのか」と不安にならず、子供も楽になるはず。学校以外の選択肢はあるのだ。しかしもし、祖父母などの年配者から、「自分だってつらくても学校に通い、今はこんなにがまん強くなった」などとプレッシャーをかけられたら、こう答えてやり過ごせばいい。

「がまんして通ったことはすごいことですが、その時、あなたは幸せでしたか? 将来の幸せを考える前に、子供には“今”幸せを与えるべきです。“今”がつらくて自殺してしまったら元も子もありません」

 と…。つらさの度合いも、がまんの限界も人それぞれ。自分ができたことを人に押しつけるのは意味がない。できるだけ苦しまず、豊かな子供時代を送ってもらうことが、親にとっても幸せなのではないだろうか。

◆まずは家の中で充電 子供の居場所を作る

 もしも不登校になったら、まずは子供が家でリラックスして過ごせる状態にしよう。

「休んでいる間、子供は一見のんきに見えても、内心では自己否定感や罪悪感にさいなまれています」(奥地さん、「」内以下同)

 そんな時は、好きなことをしてもらうのがおすすめ。好きなことに没頭している間に、つらくない時間が増えていく。仮に、昼夜逆転生活になろうと、心配はないという。

「不登校中の子供は、みんなが学校に行く“朝”がつらいため、寝てやり過ごしたい。夜はみんなが学校に行っていないから起きていたい。だから、昼夜逆転になりがちなんです。実際、ゲームに没頭して昼夜が逆転したものの、それで癒され、立派な社会人になった人も大勢います」

 一方で親もストレスがたまる。そういう時は同じ境遇にある「親の会」などに行けば気持ちをわかってもらえ、子供の居場所にはどんなところがあるのか情報も得られる。

「親自身がやりたいことをやっていて前向きなら、それに引っ張られるように子供も、趣味など第3の居場所を見つけられるケースも少なくありません」

 親子ともにエネルギーが満たされたら、やりたいことを探して、それがどこでかなうかを一緒に探せばいい。近年、フリースクールの出席日数が、小中学校の出席日数に反映されるようになったので、子供の性格に合うなら通ってみるのも手だ。ただし、選んで決めるのは子供であることを忘れずに。

※女性セブン2018年10月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン