来年4月入園に向けた保育所の申し込み受付が全国で行われているさなかの10月3日、東京・練馬区の保育施設で、生後6か月の男児が死亡するという痛ましい事故が発生した。自分の地域の保育施設で起きた事故事例は、管轄する行政に聞けば教えてくれることが多いが、事故に至らない“悪質な実態”まではわからない。
また、認可か認可外か、市区町村が運営する公立か、社会福祉法人や企業による私立か、といった運営形態だけでは保育の質は判断できない。よしあしの見極めは実際に見学に行って施設内の様子を見るのがいちばんだと、専門家は口を揃える。
その際に押さえるべきポイントを、多数の保育士に取材してきたジャーナリストの小林美希さんに挙げてもらった。まずは職員体制。認可保育所の配置基準より多めに職員を配置しているかは重要だ。
例えば5才児クラスは30人の園児に保育士が1人いれば規定上問題ないが、2人で見る方が事故防止につながるのは言うまでもない。職員も見た目ではベテランかどうかは判断できない。年配の職員がいても無資格の事務員の可能性もあるからだ。
職員が園児にどう接しているか、職員同士のコミュニケーションが円滑かといった人間関係を特に注視しよう。そして意外と盲点なのが“忘れ物”対応。
「保護者が忘れ物をした時貸し出してくれるか。中には、プールの時期に保護者がバスタオルを忘れたのを理由に、プールに入れさせないという園もあります」(小林さん、以下「」内同)
本来、子供を擁護するはずの施設が、子供につらい思いをさせている。そんな施設に預けないよう、“罰則規定”がないかも要チェックだ。
◆見学は午前中に行き給食まで見届けよ
見学申込時の対応や受け入れ態勢も、選び方の判断材料になると小林さんは話す。
「いい園ほど見学の機会を限定せず極力受け入れる。それも1時間程度かけて園内を歩きながら、どんな質問にも丁寧に答えようとします。また、保育士が園児にどう接しているかも見せてくれます」
一方、昼寝中や散歩中に見学させる施設は、保育の様子を見てほしいという姿勢が感じられないという。
「おすすめは午前中から見学し、給食の時間までい続けること。どんなにいい園でも、食事の時は余裕がなくなります。無理に口に運ばせるなど手荒くなっていないか、食物アレルギーの園児が1人ポツンと食べることなくうまく配置できているか。食事の時こそ園の力量がわかるのです」
※女性セブン2018年10月25日号