総店舗数がじつに5万5000店を超え、いよいよ飽和状態が鮮明になってきたコンビニエンスストア。今後は新しいサービスや商品を増強し、既存店の売り上げをいかに伸ばしていくかの戦いに入りそうだが、そんな中、大手コンビニチェーンの一角であるファミリーマートの動きが慌ただしい。ジャーナリストの河野圭祐氏が“ファミマ”の今後を占う。
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ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)は、懸案だった総合スーパー(GMS)のユニーを経営から切り離す決断をした。
ディスカウントストアで勢いに乗るドンキホーテホールディングスがユニー株を100%取得して完全子会社化。一方でユニー・ファミリーマートHDもドンキホーテHDに20%出資することで持ち株会社を解消し、社名を変更する予定。資本関係をすっきりさせることで、今後ファミマはコンビニ事業に専念したい意向だ。
周知のようにファミマはユニー傘下のコンビニだったサークルKサンクスを飲み込み、間もなく看板の片寄せ作業も終了する。だが当初、店舗数の単純合算ではセブン‐イレブン・ジャパンに肉薄し、ローソンを突き放すものだったが、統合が進む現状を見るとセブン‐イレブンとの差は広がり、ローソンには差を詰められているのが実態だ。
ファミマとサークルKサンクスの国内総店舗数(エリアフランチャイズを含む)は、昨年8月末時点で1万7921店。それが今年8月末には1万6720店、来年2月末の計画でも1万6854店と微増にとどまる。
ちなみにセブン‐イレブンは今年8月末で2万596店、来年2月末の計画で2万960店。ローソンは同8月末で1万4310店、同2月末の計画で1万4792店となっている。ファミマ陣営は、規模を求めてサークルKとサンクスと統合しても、結局、不採算店舗の閉鎖が多かったという表れだ。
また、新店・既存店を合わせた1店舗当たりの平均日販も、セブン‐イレブンが66万6000円なのに対し、ファミマは53万4000円、ローソンが53万7000円(いずれも今年8月末時点)と、依然としてセブン‐イレブンとの差は開いたままだ。また今年2月末との比較でも、セブン‐イレブンは平均日販を上げたものの、ファミマは下げている。