9月17日の「敬老の日」に合わせて総務省が発表した推計によると、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は約28%、3500万人を超えた。今後ますます進む高齢化と切っても切れない「介護」は、これまで相続トラブルの種にもなってきた。
義理の両親の介護一切を引き受けて、辛い思いも何度もしたにもかかわらず、いざ遺産相続となると、相続人になれるのは配偶者や子供だけで、「嫁」は蚊帳の外……2018年7月に改正された相続に関する民法の規定を見直す改定案(2019年1月以降に順次施行)だが、今回の法改正には、そんな“不公平感”を是正するポイントもある。
もともと、介護の度合いに応じて相続額を増やす「寄与」という考え方があった。円満相続税理士法人の代表・橘慶太氏が解説する。
「寄与とは、平たく言えば、例えば長男は次男より親の介護をしっかりやっていたから、相続額を多めに配分しよう、というような考え方です」
ただ、従来は配偶者や子供など法定相続人でなければ寄与が認められなかった。それが今回の法改正で、“長男の嫁”のような相続人ではない親族も、「特別寄与料」を他の相続人に請求できるようになった。ここで言う「親族」とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族を指す。嫁(1親等の姻族)や孫(2親等の血族)はもちろん、「いとこの子」(5親等の血族)のような遠縁も含まれる。
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