定番のおかずも、ほんの少し手間をかけることで、より一層おいしくなる。そこで、創業100年近い歴史を持ち、近所の東大生の胃袋をつかんで行列が絶えない東京・駒場の『菱田屋』店主・菱田アキラさんに、「肉じゃが」をおいしくつくるポイントを教わった。
『肉じゃが』
〈材料〉(2人分)
じゃがいも…5個(約450g)
にんじん…1/3本
しらたき…50g
いんげん…5本
玉ねぎ…1/4個
牛切り落とし肉…120g
[A]だし(水5カップに対しかつお節2つかみ)…2カップ ざらめ糖…大さじ2・2/3 しょうゆ…大さじ5と1/3
〈作り方〉
【1】じゃがいもは皮をむき、半分ぐらいに大きめに切る。にんじんは皮をむき、ひと口大の乱切りにする。しらたきはゆでて水気を切り、いんげんは塩少量(分量外)を加えてゆで、ともにひと口大に切る。玉ねぎはくし形に切る。
【2】【1】のじゃがいもとにんじんは、竹串が通るまで中火で20分前後蒸す。
【3】【2】を風に当てて乾かし、粗熱をとる。
【4】鍋に【3】を入れ、合わせたAをひたひたに注いで中火にかける。
【5】【4】が沸騰したら火を止め、1時間ほど放置する。
【6】【5】に【1】のしらたき、玉ねぎ、牛肉をのせて強火にかけ、煮立ったらふたをして弱火で2分ほど煮る。
【7】【6】を器に盛り、【1】のいんげんをのせる。
■Point1:根菜類は蒸して乾かす
主役のじゃがいもは煮崩れしにくいメークイーン。蒸すと甘みが出る。「根菜の水分を飛ばしておくと、煮崩れせず、調味料がスッと染み込んでいきます」(菱田さん、以下同)。
■Point2:濃いだしで万能だれを作る
通常の倍の濃さでだしをとり、砂糖としょうゆでたれを作る。「ざらめ糖を使うとコクが出て懐かしい味わいに。店ではだしの割合を変えて、肉豆腐や天つゆにも使いまわします」。
■Point3:サッと煮たら放置
根菜に火が通っているので、煮る時間は短時間。この煮汁が冷めていく間に、具の中までぐんぐん味が染みていく。「煮る時間が短いので、具も煮崩れず、煮汁も澄んでいます」。
■Point4:肉は食べる直前に投入
肉は煮すぎると硬くなるので、最後に火を通す程度に。「肉は少量でもうまみが出る和牛がおすすめ。家族の食事の時間がバラバラなら、小鍋に分けてこの工程からスタートさせると最後までおいしい」。
※女性セブン2018年11月1日号