オリエンタルラジオ・中田敦彦の動きが注目されている。中田は3月末で『ビビット』(TBS系)のコメンテーターを降板、9月末には6年間、コンビでレビュラーを務めてきた『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)を2人そろって卒業。こうした相次ぐ降板から、中田が業界から「干された疑惑」が一部で報じられた。そもそも、芸能界でよく言われるこの「干される」ということは、実際にあるのだろうか。その実態に迫る。
◇オリラジ中田は「仕事を整理した」
まずオリラジ露出減の一因と言われているのが、ダウンタウン松本人志をめぐる騒動だ。両者が直接やりあったわけではないが、ことの経緯をたどると、そこには何らかの“冷戦”が見て取れる。
昨年、脳科学者・茂木健一郎氏がツイッターに「地上波は終わコン」「日本の“お笑い芸人”のメジャーだとか、大物とか言われている人たちは、国際水準のコメディアンとはかけ離れているし、本当に“終わっている”」と投稿。同氏はのちに『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演した際、レギュラーコメンテーターを務めている松本から先の発言を糾弾され、謝罪に追い込まれた。
これに反応したのが中田だった。ブログで、茂木氏への支持を表明したうえで、「大御所の番組に出演して大御所に面白くないと言われ公開処刑をされてしまいました」などと暗に松本のことを批判。のちに中田は、吉本興業の上層部から「謝れ」と言われたとラジオ番組で証言している。
こうした騒動があって、「干された疑惑」が『週刊女性』に報じられたのだが、中田は同誌の取材に対して「干されたわけじゃない。仕事を整理したんです」とこれを否定している。
◇業界にある「圧力」と「忖度」
中田のケースの真相は不明だが、そもそもそうした「干される」といったことは実際あるのだろうか。業界関係者のA氏が語る。
「ありますよ。番組のキャスティング会議では、そのコンテンツに応じたタレントがゲストとして決まっていきます。それぞれの人気やトークスキル、世間からの印象などが考慮されますが、そうした対外的なこと以外に、プロデューサーから“その人はやめておこう”と理由もなく言われることがあるんです」
それは「干されている」ということなのか? A氏が続ける。
「『干される』には、1つは当事者からの圧力、そしてもう1つは、その下の人間、および周囲の『忖度』の2つに大別できると思います。前者は言うまでもありませんが、『忖度』に限って言えば、現場に流れる“気まずい空気”から、それまでは積極的に使っていたタレントに対し“ひとまずやめておこう”と起用を躊躇してしまうというものです。
気まずい空気というのは、“大物芸能人が使うなと言ってるらしい”とか“お世話になってる業界関係者が、そのタレントを使ってほしくないみたいだ”など、いろいろ噂されますが、はっきりした理由は現場まで下りてことないことが多いですね。実際、そうした情報が本当なのかどうかもわかないことがほとんどです」
そうした見えない空気に逆らってキャスティングしようという勇敢なテレビマンがいるなら別だが、一度「干された」烙印を押されてしまったタレントを無理してでも起用する番組はほぼないという。
◇事務所からの移籍・独立で仕事激減のケース