残り5試合となり佳境を迎えている女子ゴルフ日本ツアー。例年なら賞金女王争いが盛り上がる季節だが、今季はむしろ、“史上最も豪華なシード権争い”が関係者の注目を集めている。
来季のシード権を得られる賞金ランク50位の当落線上にいる面々を見ると、数年前の女王争いと見紛うような名前が並ぶ。
「48位にいるのが昨年の賞金ランク4位のキム・ハヌル(29、順位は18日時点。以下同)、45位には一昨年の賞金ランク3位だった笠りつ子(30)がいる。昨年、ルーキーイヤーでの優勝を果たした川岸史果(24)も今季は棄権を含めて10戦連続予選落ちを経験するなどして55位と苦しんでいるし、他にもツアー屈指の飛距離を誇る渡辺彩香(25、51位)や木戸愛(28、49位)、原江里菜(30、54位)、金田久美子(29、56位)といった人気女子プロが50位前後にひしめいている」(ゴルフ誌記者)
理由ははっきりしている。20歳前後の“黄金世代”の躍進だ。新垣比菜(19)、勝みなみ(20)らノーシード参戦組が躍進して上位を占め、中堅・ベテラン勢を押し出した格好である。とくに注目されているのが2人の元賞金女王だ。
2009年賞金女王で生涯獲得賞金10億円超を誇る横峯さくら(32)が69位に、15、16年の2年連続賞金女王で通算21勝のイ・ボミ(30)が86位に沈んでいる。
「横峯は米ツアー参戦中とはいえ、日本ツアーではシードを失っており、招待枠と過去の優勝大会への出場資格を使って参加している苦しい状況。一方のイ・ボミは、来年まで賞金女王の3年シード権が使えるものの、日本ツアー参戦以降、年間ランクで50位以下になったことはないから、このまま終われば精神的ショックは大きい。韓国ツアーで永久シードを獲得しており、復活できなければ2年後は日本撤退の噂もある。2人とも、残り試合で上位進出を狙おうと躍起だ」(同前)