今年9月に横浜で公演されるやいなや、その高いパフォーマンスと斬新さに、業界でも大きな注目を集めたシットキングスの無言芝居『The Li brary』。東京国際フォーラムでの千秋楽(11月23日)を目指して、存在感もパフォーマンスも、ますますレベルアップする彼らの稽古場をのぞいた。
リハーサルスタジオの扉を開くと、まず耳に入ってきたのはNOPPO(32才)が鳴らす軽快なダンスのステップ音。セットの奥には、鏡に映る自身の姿を指先の角度まで緻密に確認するkazuki(32才)の姿が。
三浦大知やジャニーズ、東方神起など数々の有名アーティストから振り付けや共演のラブコールを受けるプロダンサーチーム・シットキングス、通称“シッキン”は、昨年結成10周年を迎え、今年9月から音楽とダンスのみで構成された新作舞台『The Library』の公演で全国7都市を巡っている。
こちらに気づいたOguri(31才)が、「バシバシ写真撮っちゃってくださいね」とにこやかに声をかけてくれたが、いざ通し稽古がスタートすると、スタジオの端から端まで4人が踊って、走って、飛び跳ねて、カメラマンが入り込む隙を許さない圧倒的な迫力! 無言芝居でありながら、クオリティーの高いパフォーマンスによって物語が豊かに伝わってくる。
「いつも4人でテーマにしているのは、誰が見てもわかりやすいということ。チャップリンや『Mr.ビーン』にはとても影響を受けています。ダンスや舞台を一度も見たことがない人たちにこそ、ぜひ体験してもらいたいですね」(shoji・33才)
大学からダンスを始めたリーダーのshojiは、シッキン結成後も、会社勤めを続けていた“脱サラ”ダンサー。日本人にはもっと気楽にダンスを楽しんでもらいたいと願う。
「ぼくがダンスを始めた当時は、公園で練習していると“不良がたむろしてる!”って警察に通報されることもたびたびありましたが(笑い)、最近はダンスをやる環境も整ってきました。
ストリートダンスをやっている60代のかたもたくさんいますよ。“音にのる”という習慣が日本ではまだまだ日常的ではないですが、今回の舞台に出てくるような、両手をグルグル回すだけの単純な振り付けも、音楽が変わればこんなにカッコよくなるんだってことや、みんなで踊ったら楽しいってことを感じてほしいです」(shoji)
11月23日まで続く公演は、すでにチケットが完売している会場もある争奪戦状態だが、現代のチャップリンが繰り広げる世界レベルのパフォーマンスを見ずして、平成を終わらせるのはもったいない!
【シットキングス PROFILE】
2007年結成。2010、2011年と米のダンスコンテスト『BODY ROCK』で連続優勝を果たし、世界各国のダンススタジオからオファーが殺到。約20か国を回る。2016年に行った単独好演では全国約2万人を動員。2017年10月に10周年を迎え、さらに飛躍する。
※女性セブン2018年11月1日号