政府は消費税10%への引き上げに合わせて自動車取得税を廃止することを決めており、収入が一定以下の人が住宅を購入した時に補助を受けることができる「すまい給付金」の上限を30万円から50万円に引き上げる。さらにエコカー減税や住宅ローン減税の拡充も検討されている。
自動車取得税は普通車が車両価格の約3%、軽自動車は約2%だ。廃止されるのは大きい。ところが、廃止と同時に、毎年支払わなければならない自動車税に新たな“環境性能税”が導入され、購入時に車両価格の最高3%(軽は2%)の税金が上乗せされるのだ。
「環境性能が低い」とされた車種を購入する場合、増税前なら消費税8%+取得税3%だが、取得税廃止を期待して増税後に買うと消費税10%に加えて、自動車税の環境性能税3%を負担しなければならない。税金が増えてしまう。
一方、環境性能に優れたエコカーの税はゼロだから、「増税後」の方が税金は安くなる。
住宅の購入を考えている場合、同様に「すまい給付金」と消費税のアップ分を比較する必要がある。
ただし、住宅は税金の差より市況の変化の方が大きい。増税前から住宅価格が下がるようなら、増税後はさらに売れ行きが落ち込んで値崩れする可能性が高い。
※週刊ポスト2018年11月2日号