芸能

「YouTuberカジサック」になったキンコン梶原はバズるのか

キンコン梶原ことカジサック(イラスト/ヨシムラヒロム)

 最近、思い浮かぶ芸能人YouTuberといえば、女優でモデルの本田翼だろう。チャンネル開設2週間で登録者100万人を突破した。とはいえ、大半の芸能人YouTuberは特にバズることなく埋もれていく。そんななか、ネットでは相方の炎上っぷりがたびたび話題になってきた、芸人キングコングの梶原雄太が「カジサック」としてYouTuberデビューした。人気芸人として新しい境地を開くことになるのか、YouTubeという文化のなかで埋もれるのか。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が考えた。

 * * *
 10月1日、キングコングの梶原雄太がYouTuberカジサックとしての活動をスタートさせた。急なニュースに驚いたが、この原稿を書くにあたり梶原が出演した過去の動画を見たところ、しっかりと布石が打たれていた。

 現在、キングコングは『毎日キングコング』という雑談形式の番組を毎週日曜日に配信している。6月24日分、梶原は相方の西野亮廣に「YouTuberにハマっている」と語っていた。「YouTuberに自ら絡んでいくタレントはいない。だから自分がやりたい」と続き、中間目標として「ルミネtheよしもと」で有名YouTuberを集めたイベントをやりたいと熱弁。そして、ゴールは分からないが楽しいことを企てていきたいという胸の内を明かした。

 梶原が望んだYouTuberとの邂逅は、動画から約1ヶ月後の7月21日に早くも果たされる。白いマスクがトレードマークの人気YouTuberラファエルの動画に梶原がゲスト出演。「【この動画はすぐに消します】芸能界の裏話暴露します・・・」というタイトルままのトークを披露した。

 8月12日には、1/2金髪でおなじみのYouTuberヒカルの動画にもゲスト出演。自主規制が多くなったテレビの現状を憂い、YouTubeの自由さに心酔したことを告白。また、自身がYouTuberになるのではなく、自分がYouTuberとテレビの架け橋になりたいとも語っていた。

 しかし、ご存知の通りYouTuberデビュー……。

 YouTuberを説得しにいった梶原がYouTuberになってしまった。「ミイラ取りがミイラになる」の例文として使えるような光景だが、そんなことはどうでも良い。心変わりしてしまうほど、梶原にとってYouTuberとは魅力的な存在だったのだろう。

 転換の経緯を説明したところで話を最初に戻したい。カジサックのデビューが大きなニュースとなった要因は1本目の動画で語られたマニュフェストにある。

 それは「芸人引退」。

 2019年末までにYouTubeチャンネルの登録者数が100万人に達しなかった場合、実行に移すとのこと。よしもとクリエイティブ・エージェンシー代表取締役社長の藤原寛にカジサックが「到達しなかったら辞める」と掛け合う様子もデビュー動画には収められていた。

 YouTuberとしての活動を自ら芸人人生の瀬戸際と仕立てたのである。

 タレントとYouTuberの違いはなにか?

 個人的に、タレントは血統書付きの犬、YouTuberは雑種犬だと考えている。常にタレントは品行方正が求められ、逆にYouTuberとはある種のダーティーさがないとサバイブできない。そのダーティーさとは矛盾かも知れないし、もしく誇大広告的ともいえる。

 梶原がラファエルと共演した動画のタイトルを思い出して欲しい。「【この動画はすぐに消します】芸能界の裏話暴露します・・・」、公開されたのは7月21日だが、このコラムを執筆している10月26日現在まだ残っている。3ヶ月も経過しているが【この動画はすぐに消します】は実行されていない。

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン