伸び続けるハイボール市場は、洋酒マーケットでトップのサントリースピリッツが圧倒的だが、今年6月20日にアサヒビールとキリンビールが相次いでハイボール関連の新戦略を発表。そして、去る10月23日には、サッポロビールも業務提携先であるバカルディジャパンと組んだ戦略強化策を発表した。
一口にハイボールといっても、一般的なウイスキーの炭酸水割りだけでなく、宝酒造が出している、焼酎を炭酸で割った低価格の「焼酎ハイボール(いわゆる酎ハイ)」もなかなかの人気だが、あまたの数が出ている缶チューハイのほうはウオッカがベースの商品が多い。
最近は市場の伸長にあやかろうと、小売業もプライベートブランド(PB)のハイボール商品に積極的。たとえば食品スーパーのライフとヤオコーが共同開発した、スターセレクトというPBシリーズの1つとして、アシードブリューに製造委託したハイボール缶も商品棚に並んでいる。
そんな中、ハイボール戦線では出遅れていたサッポロもようやく本格参戦してきた。狙うのはスコッチウイスキーのトップシェアだ。
「2011年9月にバカルディと業務提携をし、『カティサーク』なども販売していますが、提携から6年で全バカルディ商品の売り上げ数量が2倍になりました。中でも(スコッチウイスキーの)『デュワーズ』は6年で13倍。いまでは、バカルディジャパンの中で、売り上げの4割を占めるまでになっています。
今年も、1月から9月の実績は対前年40%増で推移。また、国内のスコッチウイスキー販売で、デュワーズは2014年に銘柄別で8位でしたが、その後、7位、5位、5位ときて、2018年はいまのところ3位です」(同社の宮石徹・取締役常務執行役員営業本部長)
スコッチは泥炭(ピート)で麦芽を燻蒸するために独特のスモーキーフレーバーがあるのが特徴だが、じつは近年、ウイスキー市場の中で人気が上がっているのだという。
今年7月10日から、輸入スコッチウイスキー「ホワイトホース」のハイボール缶を発売した、キリン・ディアジオ社長の西海枝毅氏もこう語っていた。