宮本和知氏(投手総合コーチ)や元木大介氏(内野守備兼打撃コーチ)など6人の新任コーチ、そのうち4人に指導経験なし──巨人の原辰徳・新監督が敷いた布陣は驚きをもって迎えられている。そんな原ファミリー内閣に苦言を呈するのが、巨人のOB会副会長を務め、ヤクルトと西武を日本一に導いた名将・広岡達朗氏だ。
「野球の勉強もせずテレビに出ている芸能人を揃えるばかりで、とても勝てる野球ができるとは思えない。勝率よりも視聴率を狙っているんじゃなかろうか。
現役時代に『オレが、オレが』とやってきた連中だから、自分のやったことがすべて正しいと思っている。それで未熟な若手選手を指導できるのか。監督が使いやすいコーチを集めたんだろうが、原が細かく指示できないならチームとして機能しませんよ。監督が大変だろうなと思う」
来月から秋季キャンプが始まる。不安の声は高まっているが、当の原監督は“球界の盟主復活”に疑いはないようだ。広岡氏が原監督との会話を明かす。
「原が監督を受けると報道があった翌日、(原監督に)電話をしたんです。“いつまでも監督をできるわけではないんだから、(監督の)後継者を育てなさい”と。すると原は“わかりました。いい話を聞かせていただきました”と答えた。1999年のオフに長嶋にも同じことを伝えた時は、“わかりました”と、原を育てた。原は、あのメンバーで誰を育てるつもりなのか?
GMを置かないことで、試合の勝敗だけでなく、人事の責任までとらなければならなくなった。原がどうするか、(問題が生じた際)誰がどう責任をとるか。その所在すらはっきりしない。原監督のお手並み拝見というところですよ」
確かにこの“のびのびしたコーチ陣”でも簡単に優勝してしまったら、もう誰もが名将と認めざるを得ないのだが……。
※週刊ポスト2018年11月9日号