学園ドラマはテレビに欠かせないコンテンツとなっている。その元祖は1965~1966年に大ヒットした『青春とはなんだ』だ。同ドラマを放送した日本テレビで同作のプロデューサーだった岡田晋吉氏が続けて世に送り出したのが1971~1972年に放送された『おれは男だ!』である。
『おれは男だ!』は、初めて生徒にスポットを当てた学園ドラマだった。女子高から共学に変わったばかりの青葉高校に転校してきた剣道部の小林弘二(森田健作)が、バトン部の吉川操(早瀬久美)と対立。
「吉川くんっ!!」
森田が彼女を甲高い声で呼ぶ台詞は、番組の代名詞となった。
「当初は、ものすごくキツい口調の台詞が多かったんです。吉川君は極端に真面目な優等生で、相手の失敗を許さない人物像だった。そしたら監督が『もう少し優しい言い回しにしよう』と途中から変えてくれました」(早瀬、以下同)
放映は半年の予定だったが、人気のため1年に延長された。
「健ちゃんは生真面目だから、『先公』と書いてある台詞を『先生』に直していて、監督も認めていた。すると、弘二がどんどん森田健作になっていく(笑い)。ドラマの役が実像に近づいていったことも、人気の秘密だったかも」